教科書より近い肩
「藤原、ちょっと頼みがあるんだけど…。」
「どうしたの?泉くん」
私は片想いをしている泉くんに話しかけられた。
ちなみに、最近席替えをして隣の席になってからよく話すようになったんだ。嬉しすぎるよ。
「悪いけどさ、教科書見せてくんねぇか?」
「え、もしかして忘れちゃったの?」
「ああ」
だから頼む!そう言われて両手を合わせてお願いされたら断れる筈もなくいや、むしろ嬉しいです。
「でも、他のクラスの子に借りれば良いんじゃ…」
「あ、それはヤダ」
「え、何で?」
「面倒だから」
「……そうなんだ」
スパッと言い切った泉くん。そんな所も大好き!
(恋は盲目っていうしね!)
「…教科書を一緒に使うのは良いんだけど…」
「ん?」
「心なしか、教科書よりも肩の方が近いと思うのですが…」
(藤原の気のせいだろ、きっと)
(そうなのかな?)
(ほら、れんか次のページ)
(な、名前!?)
(どうでも良いから次のページ)
(は、はいぃっ!)
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