いつの間に変わってたんだろう

なんだか最近れんかのことを見るたびにドキドキと胸が高鳴っている気がする…いや、ハラハラか?

とにかく胸が酷く高鳴る。

…これはアレだ。
つい先日れんかの告白現場に運悪く居合わせてしまったからだ。それでれんかのことを変に意識してしまっているのだろう。


花井は一人悶々と考え込んで、気のせいだと心の中でも言い聞かせ頬をぱしんと叩き気合いを入れる。


(よし、いつも通り。平常心、平常心…)


「おぉーい。梓、どしたの?顔が百面相してるけど」

「―――っ」


花井が気合いを入れ始めた所にひょっこりと現れた藤原に声にならない悲鳴を上げる。
 
 
そんな花井の反応が面白かったのだろう、藤原は隣でくすくすと笑っている。花井は照れ隠しに敢えてムッとしたような顔をした。


「何か用か?」

そう言って問いかけた。藤原は先刻の笑顔のまま言った。

「んー…別に何もないよ。ただ、梓の顔が面白かったから話しかけただけ」

「んなっ!?」

「あ、おーい。藤原ちょっと良いかー?」

「分かった!!今行く…じゃあ私行くね」

「お、おう」


けろりと言ってのけるれんかに「失礼だろ」と言いかけた所で阿部に呼ばれてれんかはこの場を立ち去って行った。


一人ぽつんと残されてしまった花井は自分といる時よりも楽しそうに会話をしている二人が消えて行くまでその場に立ち尽くしていた。


「…………」

以前までは気にしなかったのに、今は何故か凄く苛々する。

…これは嫉妬なのだろうか


(いや、そんな筈ない…絶対に)


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