小さな嘘さえ見抜けるほど
幼いころからオレとれんかは何処へ行くにも、いつも二人一緒にいた。所謂幼馴染みってヤツだ。
だからなのだろうか?気がつくとオレの隣には自然とれんかがいた。
「なぁ、れんか。何かあったんだろ?オレで良かったら話聞くから言ってみろよ」
「え。何もないよ」
「…嘘、だな。」
急に何言ってるのさ。
そう言って何もないから心配するなと笑うれんかを見て顔をしかめた花井。
どれだけ長い時間お前と一緒に過ごして来たと思っているんだ。オレはその位の嘘なんて直ぐに分かるのに…馬鹿なヤツだな。
れんかの無理をしたように笑う顔を見て察するに、大方れんかの友達と喧嘩でもしたのだろう。
気まずそうな顔をするれんかに喧嘩でもしたのだろうと問いかけてみると何故分かったのかと驚かれてしまった。
「お前なぁ…。オレとれんか、何年の付き合いだと思ってるんだよ…」
「えーっと…」
はぁ。
溜め息を吐いていう花井に何を思ったのか、れんかは突然1、2、3…と指折り数え始めた。
別に数えなくても良いと思った花井だったが、れんかの真剣な顔を見ていると面白いのでこのまま見ていても良いかと思った。
「むー…。」
れんかは一通り数え終わったらしいが何度計算をしても答えはバラバラだったことに頭を抱え唸りだした。
だが、僅か数分でそのポーズを変えて突然、にぱぁっと笑顔になった。
(れんかはコロコロ表情変わって忙しいヤツだな…)
「そうだよ梓。私たち、生まれてからずーっと一緒だったじゃん!!」
最初からそう答えれば良かったのでは?と提案した花井だったが、そう思ってたならもっと早く言ってよ。とれんかに怒られてしまった。
(気づかなかったお前が悪い。)
(むー…。梓のばーか)
(何とでも言え)
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