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君へ送る、メッセージ (死にたがり)

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―――命を粗末にしちゃいけないよ。


なんて 偉そうなこと言えないけれど。



私は 送る。



君たちへ―――。




「――死にたくないなら――……





キーンコーン…

カーン…   カーン…


5時間目の始まりのチャイムだ。


(今日はなんだっけ、数学だったっけ…)


まぁ、そんなことはどうでもいい。


「…はぁ…  」 

憂鬱。 ただその一言だ。


屋上から上を見上げる。


晴れ渡った空。

健全な人ならキレイだ、気持ちいいとか思うのだろう。



だが、私はかえって不吉なことを予感する。



スッ…


…ガシャン!! …タッ


(…ほら、また来た…)


私の斜め前、同じ制服を着た少女がたたずんでいる。



…フェンスを乗り越えて。


(…チッ、)


「…また来たの?」


うつむいたその少女は、どこか嬉しそうな表情を浮かべている。


「…もういいんだよ。」


(でた、「もういい。」)


「…なにが??」

そんなこと、聞かなくたってわかってる。


二人とも。


「……っ!!」



飛び降りる勇気なんか、欠片もないくせに。



「…!!」



私の心を読んだのか、嬉しそうな表情だった少女の顔は曇る。




「…人の人生なんて、人の勝手だけどね。」




私はそれだけ言い残し、屋上を後にした。






数日後。


授業を屋上でサボっていたことがばれてしまった私は、しかたなく教室でセン公のくっだらない話を聞いている。


私の横の横の斜め前の子が、机の下でケータイを弄っている。



ひまだったので、覗き見をしてみた。


(こう見えても、視力は小学校のころからオールAだ。)


『大人気!! ○○が新曲CDアルバムをリリース!!』



っていう、いかにも最近の女子が好きそうなページを、熱心に熱心に黙読している。





でも、私は知っている。




あのこはどちらかというと、アニメやマンガが好きな子だ。



そのせいで、周りの子から「オタク」などといじめられていたのは、ちょっと前から。




(ムリしちゃって……)



馬鹿みたい。


これだからグループとかいつめんとかは嫌なんだ。




キーンコーン カーン…


終わりのチャイムが鳴り、みんなが一斉に席を立ったり、話し始めたり。



あの子はまだ熱心に三次元アイドルのページを見ている。



私は、その子の前をスッと横切った。





「……自分の趣味まで、犠牲にするんだね。」




一瞬びくっとした彼女のことは、見なかったことに。






「…ねえ、あれみて。」


私のクラスのリーダー的存在の女が、指をさして言った。


「…うわぁ、まだやってんの、あいつ。」


そういう奴がいるときは、大抵その子の周りをべたべたついてくる子もいる。



「自意識過剰、だよねー(笑)」


「ほんとほんと、悲劇のヒロイン、みたいな??(笑)」



あっはははは……




汚い声、下品な笑い方。



彼女がそういう行為をしてしまうのは、自分たちのせいだということを気づいていないのだろうか。




「……ああいうのを気にしてると、キリないよ。」




その子の近くで、さらっと言う。



机の下で カッターナイフが握っているのは、ずっと前から気づいている。




「…に、なに… かるの…」


    バン!!!



「……お前に、何が分かるんだよ!!」



机を乱暴に叩き、私の胸ぐらをつかんできた。



「あたしの気持ちが、分かるのかよ!!」



乱暴な言葉遣いになってしまったのも、きっとあの軍団のせい。



私はいたって冷静。


クラスメート全員の視線が、二人に注がれようと。



「…じゃあ聞くけど、あんたは私の気持ち、わかるの?」


「…っ」


彼女の頬を、一筋の涙が濡らす。



「…もう、勝手に死なせてよ……」


一人になれない、君が言う。



「もう、楽になりたいよ……」



赤の手首を携えた君が言う。


中には もう一生消えないだろうな、というくらい深い傷まであった。



「もう… いやだよ……」



(…あー、めんどくさい。)



女子高に通っている私の身の回りには、こういう子がたくさんいるのだ。



(良い人ぶって励ますのも…)



「……もう、めんどいわぁぁぁっっっ!!!!」


私も大声をだし、ドアをすごい勢いであけ教室を出て行った。





また、いつもの授業。


この前のように教室を飛び出たって、授業をサボったって、クラスメートはケロッとしている。



それが、かえって悪い環境なのだ。



私の視界に、ギラッと光るそれ。



「……」


(またかよ…)


無言で席まで歩いて行く。


「…わ ざ と ら し い   … わっっっ!!」



その子が握っているものを振り払う。



(死にたがりばっかり…)




「…死にたいのに なんで生きてんの?」




真顔で尋ねる。



少し驚いたような顔をして、顔を歪めた。




「生きたくもない、死にたくもない…」





「あたしみたいな人は、きっとそう言うと思う…」




(…はぁー。……)



自分の机の横にかけてある、デカく黒い物体を持ち出す。




みんな、不思議そうな顔で眺めている。


(今日、社会でよかった……)


学校一緩いといわれているセン公。 ぐっすり寝ている。




先生失格だ。




(…ふぅ……)



「…スゥ…」





♪〜 ♪〜 ♪〜





「え、ちょ 何やってんの?! 授業中だよ?!」



女子生徒の数人がざわめき出す。



そんなの気にしない。




♪〜 ♪〜 ♪〜…


得意のギターに乗せて、メッセージを送る。





♪ 生きたくない 死にたくもない






さっきの少女が、はっと顔をあげる。





♪ 何がしたいのかわからない





屋上で出会った女の子が、耳をびくっと震わせる。






♪ 僕に聞かれても困るのさ





熱心に三次元特集を見ていた少女が、じっとこちらを見る。






「…… つ べ こ べ 言 わ ず に !!!」





叫ぶ。






「生きるか!!!」







叫ぶ。







「死ぬのか!!!」





今まで出したことないような大声で。









    「言っちゃってぇぇぇええええっっっ!!!!!!」









「こっ、こら君!! 授業中に何してる!!!」




今更起きても遅いですよ、先生。




みんな 私の演奏に虜になっているんだもの。






「…死にたがり共、まだ生きてんのかぁ??」



みんな、私を見ている。






「生きんのか   死ぬのか  とっととしろよ!!!!」






何人かがびくっと体を震わせる。






「死にたがり、   死んでもいーよ!!!」






―――命を粗末にしちゃいけないよ。





なんて、偉そうなこと言えないけれど。





私は 送る。






君たちへ―――。









「――死にたくないなら――……












「…… せーぜー 生き延びろおおぉおおぉぉっっっっ!!!」









最後の方は、声がかすれて裏返った。





みんな、動かない、固まっている。






「……知ったこっちゃないよ」




ギターを投げ捨て、いつものように教室を出ていく。




「…なにあいつ、意味わかんない。」



「ねー(笑)」




私をバカにする奴なんて、たくさんいるだろう。





でも。





「……っ!!」



タッ




「…おいっ、お前たち!!!」



少女三人の行動は同じだった。



たったったっ


「……きっと、あそこだよね」



「…うん…!!」



廊下を駆け巡る



「私も、あそこで助けられたもん…」





ガシャン!!



「ハァ… ハァ… ハァ…」



三人とも、階段を駆け上がったせいか息が切れている。



「…あの、 その」


一人の子が何か言いたそうにしている。




「…あ、ありがとう、ございましたっ!!」


三人そろって、頭を下げた。



身長が全く違う三人は、前からみるとでこぼこしていた。



「…ぷっ、 あは、あははははっ!!」


なぜだか笑いが込み上げてきた。



「同級生で、しかも同じクラスなのに… なんで敬語なのさ…

あはははは……っ!!」


なにがおもしろいかわからないけれど、笑いが止まらない。




「…あ、そう、 だよね… あははは…っ!!…」



「あははっ、おかしい…ね……」




久しぶりにこんなに笑った。




ほんとうは笑うことができたのに、環境のせいで笑うことさえできなかった。


そんな四人に、もう壁はない。




たくさん笑って、みんなで事情を明かし合ったら気が楽になった。





「…かえろっか。」



「どこに?」



「教室だよ(笑)」



「社会のセン公、怒ってるよー??(笑)」



おしゃべりがとまらない。



「四人で怒られれば、別に怖くない!!」




「そうだねっ!!」




私たちは夕日が照り始めた紅い屋上を背に向け、階段を駆け下りた。








  ――――死にたくないなら せいぜい生き延びろ―――




その言葉を胸に、私たちは生き続ける―――。



*END*


☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

こういう曲は大好きです。


生きる希望を与えてくれるミクちゃん大好き


てか、なんか厨二病の病み病みでごめんなさい(´・−・`)


ほんとは、誰かが自殺する設定だったのに…((え


青春小説になっちゃいましたね∩(・ω・)∩


てか、授業中にギター弾くとかなんですか(笑)


どんなヤンキー学校ですか←



なんかいろいろ無理があってすみませんでしたm(__)m


http://www.youtube.com/watch?v=5r-jyg_UTdQ

聴いてください


閲覧ありがとでした〜〜〜


 心々彩


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