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モシモノデキゴト (罪と罰)

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ピ… ピ… ピ… 




「…ねぇ、聞こえてる……?」




優しく話しかける。



ピ… ピ… ピ… 


返事は、ない。


聞こえるのは、この安心する音だけ。


「……」



ピ… ピ… ピ…



「……今日は、もう帰るね…?」


泣き笑いみたいな顔を浮かべ、また話しかける。


ピ… ピ… ピ…


私にとって、この音は返事みたいなものだ。


「じゃあね…」


愛するアノ人を置いて、暗い廊下へと出て行った。


夜は 始まったばかり―――。






高校2年の私の日課は、アノ人がいる病院へ行くこと。


苦ではない、むしろこっちが励まされているような感じだ。



大好きだったバスケの部活をやめて いつも行く。欠かさず行く。



行かないなんて、自分のプライドが許さない。




「授業おわりぃっ! 一緒に帰ろ!」


友達が笑顔で話しかけてきた。



「…ごめん、用事あるんだ、また今度…」


心が痛む。


「えーっ、またぁ〜?」


不満そうに、そそくさと出て行ってしまった。


そう、またなのだ。


新学期に入って、もう6回目ぐらい。



「誰か、分かってくれないかなぁ…」


そんな人いないことなんて知っている。


ただ、君だけは知ってる。


君と私だけの秘密 …ってほどじゃないけど。



あの日の事も、あの夜の事も、何もかも…



「……帰ろ…」


アノ人が待っている、あの場所(病院)へ――。





ピ…  ピ…  ピ… 



今日は、昨日に比べて寒い。


もう少しで、雪が降るという。


「……ゆ、き……」



背筋がゾクッとした。


寒いのに、尚更寒くなった。



「…やだ… 怖い… 助けてよ…」



君の顔を見る。


相変わらず、返事はない。


私が悲しい顔をすると、君も悲しい顔をしてるように見えるのは、気のせい…?


「…気のせい、だよね…」


わざと声を出してみる。





最近、自問自答が多くなった。



あの事が起きてから―――。



「…なんでこうなったの…?」 『ジブンノフチュウイ。』


「誰のせい…?」 『モチロンジブン。』


「…どうしよう…」 『オトナニタヨレ。』



一番怖かった質問。


まだ、答えすらわからない質問。



「……生きていけるの……?」  『……』



未だに分からない。


すっごく難しい質問。



嫌な記憶―――。





「……ハッ」


目を覚ました。真夜中の1時ちょい過ぎ。


考え事をしていたら、寝てしまっていたらしい。



「…寒い…」



持っていたカーディガンを羽織り、君を見る。


ピ…  ピ…    ピ…


安心した顔で寝ている。 眠り続けている。




時々、怖くなる


自分は本当に愛されていたのか。


大切に思われていたのか。


嫌われているのではないか。



「……嫌いになるくらいだったら、私を殺して…」



返事はない。


ただただ、眠っている。


「…ねぇ、聞こえてる…?」


返事が来ないことなんて 知っている


「…ねぇ、私… 好きだよ…」


届かない。 

いくら言っても。

いくら叫んでも。


「…んな…」


「…こんなの もういやだ……っっ!!!!」



届かない。



「君の耳なんていら…ないっ!」



「君の ココロだって いら…ない…っ!!」



ト ド カ ナ イ 。




「うっ… うわぁぁぁぁっ」



病室を飛び出した。


真夜中の病室。


廊下は私のことを蔑んでいるかのように、静かだった。




「…っ…」


いつもの公園。


病室を飛び出して、無意識に来ていた。


きみとよく来た公園。



背の低い鉄棒。


短いすべりだい。


小さな、錆びついたジャングルジム。


ブランコ。


君とのった、ブランコ――。




「…うっ ぅっ…」


今度一緒にのれるのは、いつかな。



ふっと、真っ黒な空を見上げた。



「…あ……」


舞い落ちてくる、白い妖精。


「雪だ…」






―――「危ない、ゆきっ!!!」


――――「えっ…?」



どんっ


きゅるきゅるきゅーー…  どすっ…っ



何が起こったのかわからない。



押された



転んだ


そして――



倒れている。


きみが。


赤い血溜まり。


鼻をかすめる、ツンとした臭い。



 きみが


  たおれている。



き  みが…



遠くで、救急のサイレンが聞こえた。






――― 脳死ですね。


 のう…し…?


――植物状態ですね、すごい衝撃でしたから。


 わかんない。 何言ってるの? この白衣の男は。


―時々おみまいに来てあげてください、なんでも、君を助けたって聞きましたからね。



 わたしを…?


 そう。


あの時。


いつもの公園で、さんざんしゃべったあと。



「もう、暗くなってきたねー」


「そろそろ帰ろっか」


「うん」



「あ、そういえばさー」



「…! 危ないっ、ゆきっ!!」






――― ハッ


いつもの公園。


いつのまにか、眠ってしまっていたようだ。



雪は降り続いている。



「…ごめんね、、、」



泣いても泣いても、涙はとまらない。



「…もう、いい…よね…」



ぽた…



持ってきた ナイフを振りかざす。



矛先は、自分。




「…っっ!…」



ブランコに、滴り落ちる鮮血。




「ご…めんね ありが… と…     




君が、君が救ってくれた 私の命。





 ―――むだにして  ごめんなさい―――






暗い病室。



 一人の少女に愛された少年。




その少年の眼から



一筋の涙がこぼれおちたのは、




――だれも 知らない。




*END*



★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*

この曲の英語Verにハマりました。


てか、悲しいですね(^q^)


その後女の子は雪に埋もれて死にました\(^O^)/()



http://www.youtube.com/watch?v=5XnsrJ8l_1M


聴いてくださいm(__)m


ではでは


心々彩


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