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未来と今と


1日が半分程終わった昼休み。

昼食を済ませた後、行儀悪くも俺は昼寝をしていた。

いつもはテニス部の先輩達と共に昼を食べてそのまま雑談やら簡単なミーティングやらをするのだけれど、そんな先輩達の姿は今ここに無い。


朝練の時に聞いた話では、進路やら何やらを担任の先生なんかと話し合っているらしい。
そりゃ、全員が全員それが理由でいないという訳では無いのだろうけど。少なくとも俺の恋人、柳先輩はそういう理由だった。

出席番号が後ろの方である先輩は、学校から与えられている時間内にクラス全員の話を聞けなかった担任のせいでここに来れないらしい。
まあ確かに部活のある放課後と昼休み、どちらがいいかと訊ねられれば俺だって後者を選ぶけれど。

それでもこうやって1人で過ごす、というのは寂しい。普段わいわいと騒いでいる分余計にそう感じてしまう。
コンクリートの上に寝転がりながらうっすらと目を開いて空を見上げると、憎たらしい程の青空が広がっていた。

俺の頬を撫でる乾いた風はほんのり冷たい。もうすぐ季節は冬へと変わるのだ。

冬が過ぎてしまえば1年、あの人との間に大きな壁が出来てしまう。

きっと柳先輩はそのままここの高校へと進学するのだろうけれど、それでも中学と高校の差は大きいものだ。

こうやって1人で過ごしていると、そうやってやって来るであろう未来の事ばかり考えてしまう。

俺はぎゅっと目をつぶった。

マイナスの方向へばかり向いてしまう思考をストップさせようと考えたのだ。

やがて訪れた睡魔に俺はそのまま身を委ねて、そのまま意識を手放した。


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