首輪とリードとねこみみと ※キャラ崩壊注意 ※タイトル通りのネタです 「柳先輩…俺こういうアブノーマルなのってどうかと思うんですよ」 そう告げれば「何がだ?」とでも言うかのように首を傾げる目の前の人。 休日の俺の部屋の中。 首から延びているのは所謂リードと言う奴で、それは間違いなく俺の首に巻き付いている首輪に繋がっていた。リードの先を持っている柳先輩は満足そうな笑みを浮かべている。 何がどうしてこうなったのかと俺自身が聞きたい。 「大丈夫、似合ってるぞ赤也」 何が大丈夫だというのか、俺には全く理解出来なかった。 「いや、全然大丈夫じゃないっスよ。意味わかんないってこれ」 「こら、勝手に外すな」 首に感じる違和感の下へと手をやれば手首を掴まれてしまう。どうやらこの人は変にこれを気に入ったらしい。 「そこまで強く締めてないだろう、もう少しそのままでもいいじゃないか」 「良くない」 「…我儘な奴だ」 俺はどっちが?!と叫ぶのを寸のところで押さえ込んだ。 この場合我儘を通そうとしているのは明らかに先輩の方ではないだろうか。 「大体こういうの付けるなら先輩のが絶対可愛いのに…耳つきで…」 耳つきで…と再度呟いた後、俺はいい案を思いついた。そうだ、これは自分がするものではない、柳先輩がするべき姿だ。 「先輩」 「何だ赤也、やっと観念したのか?」 「しませんよ。そうじゃなくて、ほら」 部屋に入って早々に柳先輩が漁っていた袋の中を確かめれば案の定カチューシャに猫耳が付いているものを発見する。 それを持って近寄れば一歩後ろへ下がる柳先輩。 「…何を考えている」 「そんなの分かり切ってるくせに。アンタばっかり楽しんでるなんて不公平じゃないっスか。だから、ね?」 そう言って柳先輩に向かって猫耳を突き出す。 先輩は顔を顰めたが今はそんな事後回しだ。 だって、ここを押し切れば柳先輩の猫耳姿を拝めるのだ、引けるはずがない。 「却下だ、俺には似合わん」 「却下とか無しなんで」 「赤也!」 無理に先輩の上に跨って頭にカチューシャを付けようとするが、相手がその手を掴みそれを阻止される。 ぎりぎりと均衡を保ったままの腕が痛い、このままではカチューシャを付けるという目的を持っている自分が不利になってしまう。 俺は卑怯だと理解しながらも最終手段に出た。 柳先輩は俺に甘いから。 「柳先輩…俺、どおしても先輩の猫耳見たいんスよ。ね、一回だけ!ね?」 「赤也…」 困ったような先輩の声が耳を通る。 ここを後一押しだ。 「ダメっスか…?」 首を傾げて訊ねてみれば、目を反らす柳先輩。 その人は小さく俺にこう告げた。 「……………一回だけだからな」 「はい!」 先程までの落ち込み様は何処へ行ったのか元気に返事をする俺。 そんな様子を見て「まったくお前は本当に…」と柳先輩は苦笑いしてた。 彼も気付いていて頷いたのだろう。 その後。観念して猫耳を付けた柳先輩の可愛さは素晴らしかった、さらさらな黒髪からひょこんと立っている耳。それに加え羞恥から赤く染まった顔。 思わず写真に残したくなったが、流石にそれは怒られ兼ねないので自重したのだった。 (腑に落ちんな…) (何がっスか?) (………) (柳先輩?) (…さて、まずは赤也も猫耳つけようか) (今頭の中で何考えたんスか?!) 赤也に甘い柳さんが見たくて、我儘言ってる柳さんが見たくて H23.10.09 back |