合コン_2 [ 8/12 ]



「で、言い訳があるなら聞くけど?」

「…友達に放課後付き合ってって言われて、着いていったら…合コンで…っうわぁぁん」

「ちょ、サトシッ?」

帰りの車のなか
黙り込むサトシに話し掛け、事の理由を聞くと
サトシは話ながら泣き出してしまい

シゲルは子供の様に泣き続けるサトシを慰めるため
一旦車を停車させると優しくサトシを抱き締めるのだった。

「ゴメン、怒りすぎた…怖かったよね」

「…グスッ…シゲル、ゴメンなさ…ぃ、嫌いに…なら、ないでっ」

「何を言ってるんだい、僕がサトシを嫌いになるなんて事があるわけないじゃいか」

泣きじゃくりながらも必死にシゲルへと想いを話すサトシに
シゲルは感情のコントロールが出来なかった自分自身に
後悔と苛立ちを感じながらも
サトシが泣き止むまで優しく抱き締めながら頭を撫でるのだった。


「…落ち着いたかい?」

「ん…ありがと」

「僕こそゴメン、サトシにも理由があったのに…あんな一方的に怒って」

「…じゃあさ、もうお互いに謝っておしまいにしよう」

「え?」

「確かにシゲルがあんなに怒ったのは怖かったけど、お互いに合コンだって知らなかったんだし、お互いに謝ってこの話はもうおしまいにしよう!」

僕は彼女の優しさに
一体何度助けられてきたんだろう
そう思うことが昔から何度もあった
この笑顔に救われる事が何度もあった。

「そうだね、そうしようか」

「ああ!」

それなのに、彼女はそれを無自覚でしてしまう
そんな彼女が凄いと思うし、きっと一生彼女には敵わないと思った。

「じゃあ、せーので言うんだぞ?」

「クスッ、はいはい」

「せーの!」

「「ごめんなさい」」

ぐぅう-…。

「あ…//」

「帰って夕食にしようか」

緊張の糸が切れたからか
それともシゲルとの仲直りで安心したからか
サトシのお腹から聞こえた空腹の知らせに
シゲルは家路へと車を走らせるのだった。


(サトシ、今度から友達に誘われたら何か聞くんだよ?)

(シゲルもなっ!)



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