合コン [ 7/12 ]
「サトシ、今日時間があったら放課後少し付き合ってくれない?」
クラスメイトに誘われ連れてこられた場所はいわゆる合コン、と言うもので
「あの…俺やっぱり帰る」
しかもその合コン相手がうちの大学の科学部で
自分と同じようにシゲルまで居るとゆうことに
サトシはシゲルと目を合わさないよう俯きながら隣の友人に告げるのだった。
「ぇえ-…でもサトシ合コンなんてしたこと無いだろうし、可愛いのに彼氏いないなんて勿体ないからこの合コンで彼氏作って欲しかったのよっ?」
「嫌…でも…(彼氏以前に旦那が目の前に居るなんて言えないし)」
だから同じ大学の科学部の男子なのに、と可愛らしく口を尖らせていじける友人に苦笑しながらも
サトシは目の前から感じるシゲルの怒りにただただ身を小さくしていた
「そろそろ席替えしましょうか!」
「ぇっ!??」
「男女向かい合わせも良いけど、隣同士に座るのも良いものよっ?」
しましょうしましょう!なんて周りの空気に流され
席替えをしたサトシは1人神様を呪いながら内心涙していた
「こんにちはサトシさん、僕はオーキド・シゲルと言います」
「…サトシです」
ニコニコと微笑みながらわざとらしく自己紹介をしてきたシゲルに
サトシは言い訳をしようとシゲルに向き合いながらも
明らかに怒っているシゲルに
サトシはこれ以上話すと事態がヤバくなると判断し注文したオレンジジュースを静かに口にしていた
「ねぇねぇサトシちゃん、君が合コンだなんてなんだか珍しいね」
「ぅえ?…あ-っ!!!」
突然馴れ馴れしく肩に腕を回してきた男に
サトシは驚いてオレンジジュースを溢すと
拭いてあげるよ、とフキンで服を拭きはじめた男に
サトシが断る前にシゲルがサトシを抱き寄せ
「僕のだから、触らないでくれないかな?」
「ちょっシゲル!」
「君は少し黙ってろ」
我慢の限界だ、と言わんばかりに怒るシゲルに
サトシは両手を口にあて口をふさぐと何度も小さく頷き
周りのメンバー達はシゲルの突然の怒りに何事かと静まり返っていた
「ご、ゴメンって、とゆうかお前に彼女がいたなんて知らなかったし、その彼女がサトシちゃんって知らなかったしさっ…」
「そもそも僕は食事会をするから来いって言われたんだ、合コンだなんて聞いてない」
「それは…その…」
「とりあえず、僕達は帰らせて貰うよ」
自分とサトシの分の飲食代をテーブルへと荒々しく置き
シゲルはサトシの手を引くとそのまま合コン会場を後にするのだった。
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