プロポーズ [ 5/12 ]



「ねぇサトシッ、シゲルからのプロポーズってどんな感じだったの!!?」

「ブッ!」

「タケシ、フキン一枚貰いたいかもっ」

学校帰り
今日はレポート作りを図書室でしてから帰るとゆうシゲルに
たまには友達とお茶でもしてきなよ、と言われ
今こうして親友のヒカリとハルカとお茶を楽しんでいた訳だったのだが

ヒカリの突然の質問に
サトシは飲んでいたミルクティーを盛大に吹き出していた。

「でっ?でっ?シゲルはなんてプロポーズしたのっ?」

「…言いたくなぃ///」

「そんな事言われたらますます気になるじゃないっ」

ティーカップを両手で掴んだまま顔を真っ赤にさせて俯くサトシの姿に
ヒカリは席を近付けて問いただそうとすると
サトシを挟んだ反対側に座っていたハルカがサトシを抱き寄せる様にしてヒカリから遠ざけていた

「言いたくないっていってるのに言わせようとするのは良くないかもっ」

「…もう、つまんな-いっ」

ハルカがサトシを好きでサトシと結婚したシゲルを嫌っている事を知っているヒカリは
これ以上この話題をする事は良くないと思い、軽くため息まじりにそう言ってはタケシに出されたレモンティーを口にしていた

「何がつまんないんだい?」

「「「シゲル?!!」」」

「そんな三人揃って化物を見たような反応はやめてくれないかな…」

サトシを回収しに来たんだけど、と言って入り口の壁に寄りかかっているシゲルに
三人は驚きの表情を見せながらも
サトシだけが罰の悪そうな表情をしていて

「で?何がつまんないんだい?」

「何でもない、帰るなら早く帰るぞっ」

話の内容が気になるのか
いつもなら気にも止めないくせに今日に限って食い付いてくるシゲルに軽く苛立ちを感じながらもシゲルの手を掴んで店から出ていこうとするサトシ

「サトシにシゲルがなんてプロポーズしたか聞いてたのよっ」

「ヒカリッ!!!///」

「サトシが恥ずかしくて言いたくないなら仕方ないけど、本人に聞くのは良いんじゃない?」

だって、シゲルが言うんだものと言って
ニコニコと微笑むヒカリに
サトシは顔を真っ赤にさせて文句を言っていたが
そんなサトシをシゲルが後ろから抱き締めて口を塞ぐと、暫く何かを考えた後
静かに口を開き

「僕の人生の全てをあげるから、サトシの人生の全てを僕に下さい。…そう言ったんだよ」

「へぇえ…(シゲルらしいわね)」

「独占欲の塊かもっ」

顔を真っ赤にさせて文句を言っているサトシの口を塞ぎながら
そうだよね?と問い掛けているシゲルに
ヒカリとハルカはため息を溢しながら
目の前で騒いでいる(主にサトシ)を見つめていた

「…はいはいそれじゃあ、ラブラブな二人は愛の巣へ帰っても良いわよー」

「なっ?!!///」

「サトシの相手をしてくれてありがとう、それじゃあまた明日ね」

早く帰りなさいと言わんばかりに手を振って見送るヒカリに
シゲルはサトシを含めた三人の
会計を済ますと
サトシを連れて店を後にし

「本当、ああゆう無自覚な優しさが彼の悪いところね(まぁサトシにいい旦那さんアピールしたいんでしょうけど)」

「私、明日シゲルに会ったらお金返す(あんな男に借りを作るなんて絶対に嫌っ)」

二人は目の前で苦笑しているタケシに
二杯目になる紅茶のおかわりを求めては
今頃文句を言いながら機嫌を損ねてるであろう親友を思いながら
おかわりが来る前に残りの紅茶を飲み干すのだった。


(…お前、良くあんな恥ずかしい嘘がつけたな)

(プロポーズの言葉はサトシにだけしか言わないって決めてるからね、何なら今もう一度言ってあげようか?)

(…はぁ?!!///)

(出逢った時から、僕はずっと君のことだけを見て君だけを愛していた、だからこれから先も僕はずっと君と一緒にいたい…だからサトシ、僕とけっ)

(わーわーわーっ!!!////)




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