自分の事には鈍感ね [ 11/12 ]

「シゲル!」

「…どうしたんだい?そんな真面目な顔して」

「俺、バイトする事にしたから」

「駄目」

「何でだよっ!」

帰ってきて早々バイトをすると言い出したサトシに
シゲルは読んでいた本から視線を反らさずにそう答えると
サトシは脱いだコートをシゲル目掛けて投げつけ

シゲルは読んでいた本をテーブルへと置くとそのままコートを畳みながら口を開き

「お金には困ってないし、突然バイトするなんて言われて許可出来るわけないだろ」

「…ぅ゙」

「考えてみなよ、僕がサトシに突然バイトを始めるって言って君はどう思う?」

「いや…だ。」

「ならこの話はおしまい、バイトも断ってくること」

「…それも嫌だっ」

「サトシ」

いつもより強情なサトシに軽く苛立ちを感じながらも
ここでこのまま怒りを現せば彼女が泣き叫んで駄々をこねるか部屋に引きこもる事を予測したシゲルは
どうにかしようかと考えるが
サトシもサトシで今日はどうしても譲る気はないらしく

「なら、バイトをする場所と理由を言ってくれたら考えなくもない」

「本当かっ!!!」

「サトシの答え次第だけどね」

サトシが譲る気がないのなら
自分がいつものように譲らなければならないのか、と苦笑しつつも
彼女の意見を全て許可した訳ではなくバイトをしたい理由を話させる所は流石はシゲルという所だった

「…バイトをしたいのは…」

「うん」

「……たいから…」

「え?」

「自分で稼いだお金でシゲルにクリスマスプレゼントを買いたかったからだよっ!!!」

恥ずかしいのか顔を真っ赤にさせながら
やや怒鳴りぎみにそう言うサトシに
シゲルはサトシ同様に赤くなった顔と嬉しさの余りにやける口を片手で隠すのだった。

(ちなみにバイトするのはタケシの所だ!)

(…ぅん//)

(頭が良い癖にこうゆう事は鈍いってゆうか、自分の事に対して鈍感って言うか…)

(煩いなぁ//バイト許可しないよ?)

(っあぁあ!それは無しっ!!!)





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