シスコンと無自覚 [ 9/12 ]

今日は日曜日とゆう事で
大学が休みの二人は
サトシの実家に遊びに来ていた

「ママ!今日は俺が昼ごはん作る!」

「あらっ、じゃあどれだけお料理が上手になったか見てあげなくちゃねっ」

「怪我しないように気を付けるんだよ」

久しぶりの帰宅だからか
妙に張り切っているサトシに初めは心配そうに見守っていたシゲルとハナコだったが
大丈夫だというサトシにキッチンから追い出されると

お茶を飲みながら今はいないサトシの兄について話をしはじめるのだった。

「そう言えば、今日レッドさんはいないんですね」

「挑戦者が多いらしくて、それに今回サトシが帰って来ることは話してないし」

「大丈夫ですか?」

「いい加減、妹離れさせなきゃと思ってた所だし良いのよっ」

ニコニコと笑いながらサラッと酷いことを言うハナコに苦笑しながらも
シゲル自身、レッドには会うたびに嫌みを言われる事が度々あり
内心居ないことに安堵していたのも確かだった。

「妹離れって、俺をシスコンみたいに言わないで欲しいな」

そんな中、たった今話題にしていたレッドの声が聞こえ
まさかと思いながらも声のした方へ視線を向ければ
そこにはニッコリと微笑むサトシの兄
レッドの姿があり

「…こんにちわお兄さん」

「お前にお兄さんなんて呼ばれたくない」

「レッド!」

背負っていたリュックを脱ぎ捨て
真っ先にキッチンへと向かっていったレッドに
シゲルとハナコは顔を見合わせながら静かにため息をつくのだった。


(久しぶりに兄ちゃんにも会えるからって作りすぎちゃった!)

(俺も久しぶりにサトシの料理が食べれ嬉しいよっw)

(え…、兄ちゃんってサトシ…レッドさんを呼んだのって…)

(うん、久しぶりに帰るってメールしといたんだっ!)

(……そう。)




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