彼を思い出す日



日直の日は嫌いだった
放課後に1人で日誌を書くのも嫌いだし
放課後の誰もいない教室も静かで嫌いだった

そんな時、いつも隣で待っていてくれた彼は
もう俺の隣にはいない。

だから日直の日は大嫌いだった


「サトシ、今日は部活に来れそう?」

「…今日、日直でさ」

「あぁ、そう言えば今日サトシが日直だってハルカが言ってたの忘れてた」

「ごめんな」

「大丈-夫!それじゃあ、また明日ね」

日直の日は仕事が終わったら部活を休んですぐに帰る。
いつからかそれが俺の中で決まり事のようになっていた

日直の日にしか部活を休まない俺に
初めはどうかしたのかと聞いてきたヒカリ達も
今では俺が日直だと聞くと何も言わなくなった

正直皆には申し訳なかったけど
深く理由を聞いてこない事には正直ありがたいと思った

「よし、日誌終わり!」

そんな友人の優しさに感謝しながら
日誌と鞄を手に、俺は教室を後にした

いつも通りの筈の1日が
いつも通りじゃなかったと気づくのは

教室を後にして10分後。




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