ウソつき


「ねぇキャプテン、さっき出掛けるって言ってたけど誰と出掛けるの?」

「…っぶき」

「ねぇ?答えてよキャプテン」

ギュッと彼女の首を絞める手に力を込めれば
彼女は苦しそうに息をしながら必死に何かを口にしているが
僕には何を言っているかわからなかった

嫌、わかっていても
わからないフリをしていた

「苦しい?でもね、僕もキャプテンが僕以外の人といるのを見るととっても苦しいんだ」

「…っあ…ふぅっ」

「首を絞められる様に、心臓を何度も刃物で刺されるように、すごくすごく苦しくて痛いんだよ」
「ぶきっ…!」

「なぁに?キャプテン?…何か言いたいの?なら、少しだけ力を弱めてあげる」

軽く中に浮いていた守を一旦床へと下ろし
首に添えた手は彼女の返答次第によっては先程の様に絞められるよう軽く力が込められていた


「吹雪の…誕生、日プレ、ゼントを…買いに秋、について、きて貰っただけ…だっ」

「そうだったんだ!…ゴメンね僕、男と出掛けるって勘違いしちゃって…苦しかったよね?」

「…いゃ、コホッ…大丈夫だ」

「本当にゴメンね、キャプテンが僕に嘘をつく筈ないのに、嘘をついたって勘違いして」

先程とは違い
今では必死に大丈夫かと言って心配する吹雪に守は大丈夫だと言って少し距離を置くと吹雪はそんな守を見つめながらニッコリと笑みを浮かべ


「…でもねキャプテン」

「?」

「キャプテンが僕に嘘をついたら、僕は本当にキャプテンを殺しちゃうから」

そう言って微笑む吹雪に
守はただ、あぁと答える事しか出来なかった。


(嘘ついたら針千本のーます)

(………)





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