貴方の香り


「お前、いつから吸うようになった?」

「…1人になってからかな」

久しぶりに会ったとゆうのに
自分が喫煙者だと気付いた彼に流石だと苦笑しながら
そうか。とだけ答えてはそれ以上追求して来ない鬼道に若干以外だと吹雪自身が驚きながらも静かに目の前の選手達を見つめ

「だが、吸うときは場所を考えろ…アイツが知ったら悲しむぞ」

「うん、わかってるよ」

煙草を吸い続ければ
身体能力が衰えプレイにも支障が出る。

そんな事は
初めてコレを手にした時に充分理解していた。

けれど
彼女に会えない寂しさをまぎらわせられるならと吸い初めてからは
こうして気がつけば吸うようになっていて

「彼女の前では吸わないし、匂いだって気を付けてるよ」

「アイツはたまに鋭いからな、油断しているとボロが出るぞ」

「気を付けるよ。」

吸った煙を空へと吐き出し
まだ吸いはじめて間もない煙草を地面へと捨てるとスニーカーの底で踏み潰し
自分の背後で苦笑している鬼道に苦笑しながら
グラウンドで何処か嬉しそうに微笑みながら選手達を見つめている
彼女の元へと足を進めるのだった。


「守」

「…煙草、体に良くないんだぞ」

「ぇ」

「口から煙草の匂いがするからわかるさ」

グラウンドから視線を反らさないままそう言う彼女に
吹雪は先程の鬼道の言葉を思い出し
静かにポケットの中にあるタバコの箱を握り潰すのだった。



(今度煙草を吸ったら一生口も聞かないしキスもしないからな)

(…じゃあ僕が吸わないように見張っててよ)

(それは無理)

(………。)




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