身長差


「円堂くんっ」

「吹雪」

自分の名前を呼びながら駆けてくる彼は
昔とは違って自分よりも背が大きくなっていて

こうして向かい合えば
かつては自分が見下ろしていた筈の彼に
今では自分が見下ろされていて

「…お前は成長するのが早すぎるっ」

「ぇ?どうしたのいきなり???」

自分も成長こそしたものの
やはり吹雪の方が身長や筋肉といった点でも自分より成長しているのは
見ていてもわかる訳で。

「大人になって俺より身長はでかくなるし、カッコよくなるし、昔のお前の方がもっと可愛かった!」

そんな吹雪に、いけないとわかっていても八つ当たりをしてしまい
すぐに謝ろうと顔を上げれば
何故か吹雪は口を押さえながら何かを堪えていて

「なっ、なんだよっ!」

「円堂くんっ…可愛すぎだよ///」

「なっ?!!//…っ男が可愛いって言われても嬉しくないって昔から言ってるだろっ!!!///」

プハッと軽くふきだしながら自分の頭を撫でる吹雪に
円堂は顔を真っ赤に染めながら自分の頭を撫でている手を振り払うと
吹雪はゴメンと謝りながらも嬉しそうに微笑み

「でもね、円堂くんが今こうして僕との身長差を気にするように、昔は僕が気にしてたんだよ?」

「ぅ゙」

「だから、今はこうして上目遣いな円堂くんが見れて凄く嬉しいよ」

「…一言余計だ、ばかっ//」


自分を優しく抱きしめながら髪へとキスをする吹雪に
初めは何か文句を言ってやろうかと顔を上げれば
そこには幸せそうに微笑みながら自分を抱きしめている吹雪の姿があり。

(…ま、いいか)

そう苦笑しながらも
円堂も吹雪を抱きしめかえすのだった。


(ねぇ、円堂君からキスしてくれないかな?)

(どうせ背伸びする俺が見たいとか言うんだろっ)

(…あはは、はは…)

(……。)





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