ポケモンSS | ナノ
例えると




自分を動物や人以外に例えるなら?と聞かれ
僕は『雲』と答えた。

どうして?と聞いてきた彼女にどうしてかと答えようにも
自分自身よくわかっていない解答だったぶん
答えられる訳がなかった。

「ならシゲルは月だな!」

「…僕が?」

どうしてだい?と今度は僕が彼女に問い掛ければ彼女も僕と同じく
わからない、と答えながら苦笑していて

「でも例えて雲、だなんて言われたのは初めてだ」

「僕も、大抵は有名人とかモデルに例えられるからね」

「…言ってろ」

「でも良く考えたらサトシは雲であってるかもね」

「そうか…?」

「あってるよ、いつもふわふわしてる所とか、自由気ままな所とかまさに雲みたいだ」

「…喜んでいいのか怒っていいのかわからないな」

そう言って空を眺める彼女を横目に
自分も視線を空へと向ければ
そこにはふわふわと空を漂う雲とうっすらと見え始めた月が見え

「暗い夜を照らしてくれる月は、俺にとってのシゲルだ」

「君にそう思われてるなんて僕は幸せ者だね」

「おう!喜んでいいぞ!!!」

「ありがとう。」

いつの間にか繋いでいた手にお互い顔を見合わせて微笑み会うと
互いに空に浮かぶ月と雲を見つめながら寄り添いあうのだった。


(まぁ10万ボルトをおみまいしたり、泣き叫んだりする所を考えたらやっぱりサトシは雲で正解かもね)

(…お前なんか月じゃなくただの女ホイホイだ)


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