ポケモンSS | ナノ
狂い狂わせ狂わされ


知ってる?
俺がお前の傍にいる女を見る度に
その子達を殺したくなる事を

アイツを見つめる目を
アイツに絡める腕を
アイツに愛を囁く声を
アイツの言葉を聞く耳を…

全て奪い取って
最後にはそいつの命を貰うんだ


だってしょうがないだろう?


「っいやっ…助けてっシゲル君っ…」

「…お前がアイツの名前を呼ぶなよ」

シゲルは俺のものなのに…


「いやぁぁぁああ-!!!!」


シゲルから愛を貰おうとする女達なんて


「死んじゃえ」


俺の愛は狂ってる…
でもそれは…俺だけじゃない


「また、僕の為に殺してくれたのかい?」

「あぁ」


アイツも…
シゲルも狂っている

シゲルは
俺が女達を殺すことを
俺の嫉妬からだと知っている

コイツにとって
嫉妬は愛があるから

だから
シゲルは俺のこの行為を
本当に嬉しそうに゙見つめている゙

「僕は血に濡れる君も好きだよ」

「汚れるから寄るなよ…」

「君が僕の為に濡れた血だ…だから気にしないよ」

むしろ僕の為に濡れた
君の汚れを僕も一緒に共有したい
とゆうシゲルの言葉に
サトシは軽くシワを寄せ

「コイツらの血だから嫌なんだっ…シゲルの肌に…服に…コイツらの血を染み込ませるなんて冗談じゃない」


近づいてきたシゲルの手を払いのけ
スタスタと歩いていくサトシを
初めは驚いて見ていたシゲルも
暫くすると嬉しそうに、けれども黒い笑みを浮かべ


「ありがとう、君のお陰でまたサトシは僕から離れなくなったよ」

真っ赤な血溜まりの中心で
無惨に切り裂かれた女性に
シゲルは心からの笑みを浮かべながらそう言うと
サトシの後を追う為に部屋を後にした



狂い、狂わせるのは愛ゆえに
愛が無ければそれはただの
幻想(妄想)のお遊びだ

狂わない恋なんてあるわけない


だって…

僕は…

俺は…


「「いつか君(お前)を殺してしまいたい程愛してるから」」


増える屍は彼女の愛の証…



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