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占いなんて



「あー…今月の俺の運勢最悪だ」

「サトシ、占いなんて信じるんだ」

「いや…そうゆう訳でもないけどこうだって結果が出てたらそうなんだ位には思うだろ?」

そうゆうもんかな、とシゲルは読んでいた本に視線を戻し
サトシはそんなシゲルの態度に少しムッとした表情を浮かべながらも占いの続きを読み始め

「あ!!!」

「今度はどうしたんだい?」

「今月のシゲルの恋愛運最悪だぜっ!!!」

「…別に僕は占いなんて信じてないし、それにしても何でそんなに嬉しそうな訳?」


本を閉じ、先程のサトシの様にムッとするシゲルに
サトシは本を開いてシゲルの顔の前に差し出すと
シゲルは静かにサトシの指を指した場所を読み始め

「…今月の貴方の恋愛運は最悪、恋人から別れ話をされるかも…」
「可哀想だなっ」

「恋人の君がそんなに嬉しそうな事に僕は納得がいかないんだけど」

「別に?…でもさこれってシゲルの占いも俺次第で当たるって事だろ?それって何か面白くないか?」

「全然、それにさ…サトシは僕に、別れ話なんて出来ないさ」

「何でだよっ…んん゙ぅっ?!!」

「こうして絶対に言わせないから」

フフンと鼻歌でも歌い出しそうなくらい満足げな表情を浮かべながらシゲルは閉じていた本を開いてはまた静かに読書を始め

サトシは悔しさと恥ずかしさで顔を真っ赤に染めながら
読んでいた雑誌をシゲルに投げつけキッチンへと向かうのだった

「…本当、サトシは可愛いな」

投げつけられた雑誌の占いのページを開き
サトシの占いを見つめながら、キッチンで自分が飲むオレンジジュースと僕のコーヒーを用意してあるであろう彼女を思うと自然と頬が緩むのを感じていた。


今月の牡牛座の運勢
全体運:良くもなく悪くもない微妙な感じ、だから普通な感じかも!
金運:思わぬ臨時収入が有り!だからと言ってすぐに使うのは×
健康運:思わぬ事で転んで怪我をしてしまうかも、体調が悪いと感じたら無理をせず休むと早く良くなるかも!
勉強運:誰かに教わると○、復習をすれば◎

恋愛運:寂しいと感じたら遠回しに彼に別れ話を切り出そうとしてみて!きっと彼は慌てながら貴女を抱き締める筈!!!


「寂しいなら寂しいって言えば良いのに…」

「…シゲル?」

「何でもない、ただサトシが可愛いって言っただけ」


占いなんか信じない僕だけど
今回だけは
占いに感謝しても良いかもしれない


(サトシ、僕の膝に座りなよ)

(な!?//イキナリ何なんだよ!!!///)

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