ポケモンSS | ナノ
もう一度


「サトシ」

「何だよ?」

「好きだ」

「……へっ?」

シゲルからの突然の告白に
サトシは手に持っていた鞄を地面に落とすと
盗まれるよ、なんて説教をしながら鞄を渡すシゲルにサトシは目を見開いていた。

「おまっ…お前いまっ!」

「告白したね、で、僕の告白にここまで動揺してるって事は僕の事が好きだからって思って良いのかな?」

鞄を渡してくれたかと思うと
さりげなく手を繋いできたシゲルに恥ずかしさの余り怒鳴るように叫ぶと
道行く人達から何事かと注目を浴びていて
少し落ち着こうか、と言うシゲルに連れられ
近くの公園へと足を踏み入れたのだった。


「で?返事を聞かせてくれるかい?」

「…お前、良く平然としてられるな」

「こうでもしてないと君の返事を聞くのが怖いんだよ」

時間が掛かる度
それが断る言葉に迷っているからなんじゃないのか
とゆう不安からくる焦り。

(バカだなぁ)

いつもは余裕顔を浮かべては自分をからかってくる幼馴染みが
今は余裕のない表情で自分の答えを待っている
そんな現状に、初めは驚き、慌てていたサトシも苦笑せざる終えなかった

「…好きだよ」

「え?サトシ、もう一度言って?」

「もう絶対言わない!」

「あんな突然言われたら聞き取れるわけないじゃないか、だからもう一度聞かせて?」


お願いだ、と言って悲し気な表情を浮かべるシゲルに
サトシは恥ずかしさと葛藤しながらも静かに口を開き


「…も、俺もシゲルの事が、好き…だっ!///」

シワが出来る程スカートを握り締め
顔を真っ赤にしながら、何故か半ギレ状態で言ってきた彼女に苦笑しながらも
必死に返事をしてくれたサトシを抱き締めれば
サトシは突然の事にまたも驚いていたが

ありがとう。とゆうシゲルの言葉に
ぎこちなく、けれどもしっかりとサトシもシゲルを抱き締め返すのだった



(ねぇサトシ)

(ん?)

(もう一度言ってくれないかい?)

(絶対にイヤだね!!!)
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