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不器用な彼と不器用な彼女


「ベイベイッ」

「っあははっ!くすぐったいよベイリーフッ」

「………。」

面白くない。
それが今の気持ちだった。

「ねぇ、サトシ」

「ん?…ってコラッやめろよっ//!」

「ベイーッ」

本来目の前で行われている事を自分とサトシがしていた筈だ
なのにどうだろう

目の前ではポケモン達がサトシに甘えすり寄っているじゃないか

「サトシは僕だけのものだーっ!!!」

「へっ…?」

「…あ。」

我慢しきれずその場で怒鳴るように叫ぶと
突然の事にサトシやポケモン達は驚いていたが
シゲルは自分の行動に今更ながら後悔を感じ

「ゴメン、聞かなかった事にしてくれ…」

「………。」

そう言ってはその場を立ち去ろうとするシゲルに
サトシはシゲルの腕をつかむとシゲルは突然のサトシの行動に驚いた表情を浮かべながらも
すぐさま不機嫌な表情を浮かべ

「君の仲間達が待ってるよ」

「…シゲルとは滅多に会えないし…それにそのっ…さっきの言葉、嬉しかったっ!///」

「サトシ…。」

恥ずかしがり屋な彼女が
顔を真っ赤に染めながら必死にそう言う姿に
先程の自分の姿を思い出して苦笑すると
シゲルはサトシを優しく抱きしめ

「僕こそ、君が帰ってきてくれた事が嬉しかったのに、変な意地をはってゴメン」

「シゲルは素直じゃないからな!」

「サトシこそ」

先程までの気まずさが嘘かのように
今ではお互いに抱きしめ合いながら笑いあっていた。


((あぁなんて不器用な僕(俺)ら))
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