sweet sweet
「今日はバレンタインデーだけど、サトシは当然僕にチョコを用意してくれてるのかな?」
そう言ってニコニコと微笑むシゲルに、サトシは持っていた鞄を軽く握りしめると
鞄からピンクと白の包装紙に包まれた箱が1つ。
「…ママに教えて貰ったけど、俺…料理なんかしないから不味いかも知れないからな…」
差し出されたサトシの指を見て
シゲルは嬉しそうに微笑むとそのままその場でサトシを抱き締めれば
サトシは他の奴が見ているとすぐにシゲルの腕から逃げ出そうと抵抗していたが
ありがとうと言って本当に嬉しそうに微笑むシゲルの姿に
サトシは軽く苦笑すると小さく馬鹿とだけ呟いていた。
「その指の絆創膏はチョコを作って出来たんでしょ?」
「あ、あぁ…湯煎で火傷しちゃったり、チョコを刻むときに少しやっちゃってさ…」
ママがつけなきゃ駄目だって言ってつけてくれたんだ
と言って苦笑する彼女がいとおしくて更に抱きしめる力を強めれば
彼女は自分の腕の中で苦笑しながらも自分の腰へと手を回していて
「可愛いよ、サートシちゃん」
「そうゆう事言うなよ恥ずかしいっ!!!//」
「チョコはサトシから食べさせてねw」
「…調子に乗るな馬鹿っ」
そう言って頬を軽く打つサトシと顔を見合わせて笑い合うと
シゲルはサトシの手を引いて歩き出した。
(…ホントに食べさせてくれないの?)
(自分で食え!!!)