ズルい貴方
「受け取ってくれないか?」
そう言って彼が差し出してきたのは綺麗に包装された包みと
ピンクと白の薔薇の花束
「今日って、何かあるのか?」
そう問いかければ彼はお前らしいなと言いながら苦笑していて
「あるなら言ってくれないとわからないだろっ?」
「今日はバレンタインデーだ」
「えっ?!!今日だったのか!!?」
そんな鬼道にほんの少し苛立ちを感じながらも
バレンタインデーと言う言葉に慌て携帯のディスプレイを見つめれば02/14と表示された日付に守は両手を合わせて鬼道へと謝罪すれば
鬼道は大丈夫だと言って守の頭を優しく撫で
「で、これは受け取ってくれるのか?」
鬼道が持っていた花束と包みを受け取ると
鬼道は意地悪く微笑みながら口を開き
「今年のホワイトデーが楽しみだ」
「本当、お前にはかなわないや」
そう言って微笑む鬼道に
円堂は苦笑しながらそう言うと
鬼道の腕に自分の腕を絡ませて微笑むのだった
(俺の方こそ、お前にはかなわないさ)
(そうか?)
(あぁ)