【あたしってほんと馬鹿 】
※まど☆マギの好きな台詞で文
風→円
「僕、キャプテンの事が好きなんだよね」
そう言ってきた吹雪の気持ちは本物で
幼なじみというポジションで満足していた俺にとっては
その言葉は俺の思考を停止させるには充分だった。
「だから相手が風丸君でも手加減しないから」
そう言って円堂の元へと駆けて行く吹雪を見つめながら
俺は今までに感じたことのない苛立ちを感じていた。
(…俺がアイツに手を貸さなければお前は円堂と出会うことさえなかったくせに)
もやもや、もやもやと
吹雪に対する苛立ちが膨らんでいくと同時に
いつかこうなる事を知っていても何もしなかった自分に腹がたった
「…お前なんかたまたま円堂にであっただけのくせに…」
俺は昔から円堂を知っていた。
好きなことも嫌いなことも
円堂自身が気付いていない事だって
俺は知ってるのに。
そう思うほどに円堂の事が好きなのに
「っほんと、俺って馬鹿だな」
自分の馬鹿さに呆れながら
風丸はひとり、声を上げて泣き叫んだ。
そして
彼の心は黒く染まった。