洋服
「今日はいい子にお留守番してくれた守にお土産があるんだよ」
「お土産?」
いつもより長く睡眠を取っていたせいか
今もまだ眠たげな守に苦笑しながらも
そうだよ、と言って紙袋や箱を差し出すと
守は目を擦りながらそっと紙袋や箱へと手を伸ばし
「これは、服?」
「そう、人間界の着物だよ」
紙袋の中身を見た瞬間に
眠気が吹き飛んだのか
吹雪が服だと言って買ってきた大量の服に守は困惑の色を隠せずにいた
「俺には似合わないと思う…」
「そんな事ない!絶対可愛いよ!!!」
「…でもこんな服着たことないから着方がわかんないし」
「慣れるまで僕が着せてあげるから大丈夫!」
余程この服を着せたいのか
着せてあげる、とまで言ってきた吹雪に苦笑しながらも
せっかく父様が買ってきてくれたお土産だし…と
初めて見る着物に戸惑いつつも
紙袋の中から気に入った服を取り出し
「これ着るから着方を間違ってたら言ってくれよ」
「うん」
ぎこちなくも自分なりに考えて着ている守の姿を微笑ましいと思いながらも
数分後には
吹雪によって着直された守の姿があった
(やっぱり可愛いよ守っ!!!)
(…動きづらい)