君には敵いません


それは守が森にいた猫達と遊びに行くと言っていた日の事

「にゃあー」

「皆おはようっ!」

「にゃにゃあ-w」

猫達に囲まれて嬉しそうに微笑む守の姿に
何故か胸が苦しくなるのを感じていると
どうしたのか、先程まで囲まれていた筈の守が
何故か自分の着物を掴んでいて

「どうかしたの?」

「…父様が寂しく無いように、早く帰ってくるからっ」

「うん、でもお友達ともちゃんと遊んでくるんだよ?」

そう言って頭を撫でてあげると
胸にあったわだかまりが無くなったのか
守は楽しそうに微笑みながら猫達と共に森の中へと入っていき

吹雪はそんな守を見つめながら
彼女の頭を撫でた手を握り締めていた


(本当、守には敵わないなぁ)





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