朝はいつも
父様のおはようから始まる。

「おはよう守、今日も気持ち良さそうに寝てたね」

妖怪の中でも強い力を持っている父様は
力が強いというだけで妖怪達からも恐れられ
今はこうして森の奥深くで身を隠すように暮らしていた

「おはよう!」

けれど
他の誰が何を言おうが
俺が父様が優しいことを知っていればいいんだと
今は深く考えなくなっていた

「僕はご飯の仕度をしちゃうから守は着替えて身なりを整えて来ること」

「はぁーい!」

いい子だね、と言って優しく頭を撫でてくれた父様の言い付けを守るため
今日も父様が用意した着物を身に付け髪を結うと
父様の待つ食卓へと足を早めるのだった。


(守、家の中を走っちゃ駄目だよ?)

(…ごめんなさぃ。)




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -