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「円堂くん?…どうかしたの?」

「ぇ…いや…何でもないんだ…ごめん、ありがとう秋」

綱引きの選手待機テントへと着き
先程の事を思い出しては考えないようにと軽く頭を振っては小さく唸る守の姿に、同じく綱引きに参加する秋が心配して声をかけてみると
守は大丈夫だと言って笑ってはいるが
大丈夫そうじゃないのはその場にいる誰から見ても明らかで。

「円堂くん、体調が悪かったら無理しなくて大丈夫だからね?」

「本当大丈夫だって!ただ士郎が手を握ってきたり顔を近づけてきたから少しビックリしてるだけで!……ぁ。」

「王子と姫が禁断の愛をー!」

「スクープよスクープ!」


よほど先程の事で動揺していたのか
いままさに自分が悩んでいた事をつい勢いで口走ってしまい
ヤバイ。と口を塞いだ時には時すでに遅く
選手待機テントからはキャァアアアー!という黄色い歓声が響き渡っていた。





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