「私ね、吹雪君の事が大好きなの」
「…えっ?」
そう告白してきた親友の表情は本当に彼の事を愛しているんだと
その時の守以外でもそう思うほどのものだった
「でも、吹雪君は守以外は相手にしてくれないから、だからこれを吹雪君に渡して欲しいの」
「…でもっ…。」
そう言って差し出されたのは
ピンク色の封筒
つまりラブレターな訳で
「…こうゆうのは自分で渡した方が良いんじゃないのか?」
「もしかして、吹雪君に渡すのが嫌なの?」
「…そんな訳じゃ…」
「なら渡してくれるよね?…私たち親友だもんね」
『親友』という言葉に
渡されたラブレターを少し強く掴むと
わかった。とだけ答え
逃げ出すようにその場から走り出した。
「…士郎っ」
「守!…どうかしたの?顔色悪いよ?」
吹雪の顔を見た瞬間泣き出してしまいそうになりながらも
手にしていた手紙を無言で差し出すと
今度は目の前にいた吹雪が驚きの表情を浮かべていた。
「これっ…」
「渡してくれって、頼まれたから…」
「僕の気持ちを知ってて、守は僕に知らない女からのラブレターを渡すの?」
「…っ」
「そぅ、わかった…それが守の返事って訳だね」
始めてみた吹雪の怒りの表情に
守はその場で黙りながら俯く事しかできず
その日から
二人の関係は全て一変しはじめた。