《マモル》
それは小さな時から耳にしていた言葉(名前)

「師匠!見てみてっ!!!ゴッドハンドが出来るようになったんだよっ!!!」

「お前ならこの技をマスター出来ると思っていたよ」

「えへへっ」

何も知らなかった僕に
一からサッカーを教えてくれた師匠

そんな師匠の期待にこたえたくて
僕は師匠の技を必死に覚えた

…でも

「この技をアイツにも直接教え込みたかった」

師匠が見ているのは
本当に一からサッカーを教えたいのは

「マモル…お前はワシの意志をついでサッカーをしているだろうか」

《マモル》だ

「師匠っ、きっとマモルはサッカーをしているよっ」

「…ロココ」

「だってマモルは師匠のマゴなんでしょ?…師匠のマゴだもんサッカーをしない訳がないよっ」

マモルはきっとこの空の向こうで
自分を鍛えている

会った事もないのに
不思議とそう思った

「そうだな…マモルならワシの残したノートも読めるだろうしな」

ハハハと何処か嬉しそうに笑う師匠の姿に軽く胸が痛みながらも
僕は足元に転がるサッカーボールを手に静かに空を見つめた

「師匠っ早くマモルに逢いたいね」

「ああ、そうだな…アイツがワシの期待通りならきっと逢える」

そう言ったのは僕の本音
この空の何処かにいる《マモル》と
一緒にサッカーがしたくなったから

「師匠!!!もっといっぱい特訓をしてくださいっ」

「おぉ、張り切ってるなロココ」

「マモルはいつもたくさん特訓をしているような気がして、僕も負けられないって思うんですっ」

「ハハハ、そうかそうか…ワシもワシの最強の選手達でアイツと戦いたいからな」

ハハハハハッと笑いながら
ぐしゃぐしゃと頭を撫でてくる師匠に文句をいいながらも
二人でグラウンドへと足を向けた

「さぁ師匠!!!」

「行くぞロココ!!!」

君と戦う日のために
僕は強くなるよっ

早く逢いたいな
逢ったら僕は君に聞きたい事や話したい事が沢山あるんだっ

「早く逢いたいよ…マモル」

昔から耳にしていた
彼の名前は
いつの間にか僕の中で大きな存在になっていた

…そして

「さぁ!!!練習だっ!!!」

チームメイトに囲まれ
太陽のような笑顔を浮かべながら
楽しそうにサッカーをする彼の姿を見た瞬間
無意識に笑みが浮かんだ

「ダイスケ…」

「あれが円堂マモルだ」

「うん」

ずっとずっと会いたいと願っていた彼は自分が想像していた通り
嫌、それ以上にサッカーを愛していた

「今度会うときはグラウンドだ」

「そうだね」

今はまだ遠くから見つめるだけだけれど
真っ正面から彼と向き合う日はそう遠くない…。

長年待ち望んでいた事がもうすぐ叶う
そう思うだけで、彼の姿を見れただけで
その時のロココには充分だった


(ダイスケ、僕、マモルの旦那さまになっていいかなっ!)

(………。)






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