神に愛された人の子
2012/03/27 10:33

※シゲサト♀ 長編で書こうかと思ってるもの。



神と人は関わってはならない

そう
小さな頃から教えられてきた僕にとって
彼女の存在はとても不思議なものだった。


「出掛けるそうじゃが西の森には絶対に行くんじゃないぞ」

「わかってますよお祖父様、それじゃあ行ってきます」

昔から出掛ける旅に祖父が言う言葉
『西の森には行くんじゃない』
幼い頃、どうして行ってはいけないのかと問うと
森には神がいるんじゃ、と真剣な表情で語る祖父に
僕は黙って言いつけを守ることにしていた

「…でも神だなんて、本当にいるのかな」

「ブラッキーッ」

「っコラッ!ブラッキー!!!」

気になるなら確かめろ、とでも言うかのように
シゲルのバックをくわえて走り出したブラッキーに
シゲルはどうしたものかと焦りの色を浮かべていた

(神がいるなら見てみたい、だけどお祖父様が森には行くなって…)

けれどもそんなシゲルとは裏腹に
どんどん森へと近付いていくブラッキーに
シゲルは覚悟を決めて走り出した

「わかったよ!行くよ!」

「ブラッ!」

森へ入り
木漏れ日から感じる暖かな光と
生き生きとした木や木の実や花に
シゲルはまるでポケモン達の楽園みたいだとこの森に目を奪われながらも
ふと、とある事に気付き。

「…ポケモンが何処にもいない?」

これ程までにポケモン達の住みやすい環境なのに
しばらく森を歩いた今でも
この森の中には自分とブラッキーの姿しかなく

「…おかしい」

「ブラッ!!」

この森に疑問を持ちはじめた頃
突如自分の前で鳴きはじめたブラッキーに視線を向けると
そこには一面に咲き誇る花と
今まで姿が無かったポケモン達の姿。

「…そんな、」

そしてその中心には
この世界では神と呼ばれるレシラムの傍で眠るひとりの少女の姿があった。






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