flower


ディノさんと獄寺くんのお話


「ちょ、お前みんなに何話したんだよ!」
大好きな人が待つ我が家に帰ってすぐ、そう詰め寄られた。
「ただいまー隼人」
ただいまのキスをしようと唇を寄せたら、口元を手のひらでむぎゅっと抑えられ、ディーノは不満顔になる。
「そんな事より!クローバーの話ってあの子供ん時のバカ話したのかよ!」
「あーあの時の隼人スゲー可愛かったからさ、自慢しちまった」
バコッと頭を叩かれる。
「もういい加減忘れろよ!」
あの時の自分の行動のあまりの恥ずかしさに、獄寺は穴があったら入りたい…と思う。マフィアの息子同士という事でたまに遊んでいたディーノと獄寺が庭でした可愛い約束。
四つ葉のクローバーを見つけると幸せになれる、そんな話を聞いた2人は庭に出て探したのだ。
これも違う、あれも違う、子供が退屈をあげるだろう時間が経っていたがなかなか見つからない。

そんな時。
ディーノが嬉しそうに叫んだ。
「あった!」
「ほんと?!」
てててっと駆け寄った獄寺に誇らしげに見せる。
「ほんとだ!4つ葉っぱがある!いいなぁ、僕も欲しい」

もう1度探そうと這いつくばっている獄寺にディーノは、不器用な手先で茎の部分を輪っかに結んでから獄寺を呼ぶ。
「これ、隼人にやるよ」
そう言って、獄寺の小さな手に四つ葉の指輪もどきを渡した。
覗きけんだ獄寺がぱあっと顔を輝かせる。
「いいの?」
「いいぜ!これで隼人がもっと幸せになれたらオレも嬉しい!」
少し迷ってから、獄寺はありがとうと一緒に約束を告げた。

「じゃあ僕はずっとディーノのそばにいる!そうしたらきっと僕もディーノも幸せだよ!」
「おっ、それいいな。隼人がずっとそばにいてくれたらオレは幸せだ」2人はおでこをコツンと合わせながら笑った。

そんな幼い頃の大事な思い出。


もう2人のそばに四つ葉のクローバーはないけれど、そばにいる幸せは約束通り、これから先も破られる事はないと信じている。




Happy end





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