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ハニーちゃん達の優雅な午後



ここは、とある高級マンションの1室。
年齢もバラバラで何の共通点もなさそうな4人が優雅なひとときを過ごしていた。

「本当に珍しいっすね。和希さんが昼間に家にいるなんて」
「しかも成瀬さんがいないなんてなー」
リョーマと高耶がそう話すと、和希は苦笑しながら話した。
「本当に久しぶりの休日だから、あの人がいなくて良かったよ」
「…何で?」
いつ見てもラブラブに見えるから、まさか和希がそんな風に言うとは思わず、獄寺はそう問いかけてしまった。
「ベタベタが1日中続くんですよ?家でくらい拘束されたくない…」
和希の呟きに、獄寺は納得したようだ。
「あー、成瀬さん独占欲強そうですもんね」
「外で会った時も、俺チェックされた気するから、思わず睨んだ…」
獄寺が少し不愉快そうに言うと、和希は頬をポリポリとかいて謝る。
「ごめんね?あの人誰にでもそうだから無視しといてください」
そう和希が言った時、リョーマがポツリと呟いた。

「いいな…」

「え?」
「俺、和希さんが羨ましい」
和希と高耶と獄寺は、顔を見合わせる。

3人共、それぞれのパートナーに溺愛され、独占欲丸出しの態度に少し辟易気味だった。
それに、誰が見たって、リョーマは相手に随分愛されてるように見える。

「だって国光、自分からくっついたりしてくれないんだもん」
リョーマは拗ねたように、口を尖らせる。
そんな姿が、子供っぽくて可愛い。
「手塚さん、恥ずかしがり屋っぽいもんな…」
「俺だってそんな国光が可愛いって思うけど、たまにはさ…」
愚痴を言ってるのか、惚気を言ってるのかわからない。

「この前、直江さん大きな薔薇の花束を持ってた。あれって高耶さんへのプレゼントでしょ?成瀬さんは和希さんのために家庭菜園とか始めてるし」
そんなリョーマの言葉に、高耶と和希はあわあわと顔を赤らめる。
「この前エントランスでディーノさんに会った時は、思い出のクローバーの話、延々聞かされたし」
自分は大丈夫と安心していた獄寺も、飲んでいた紅茶をぶっと吹き出しそうになった。
「みんなが羨ましい…」
リョーマがしょんぼり言うと、和希が「じゃあリョーマくんはどうしたいの?」と尋ねる。
「え?」
「俺たちから見ても、手塚さんがリョーマくんを大事にしてるのなんてすぐわかるよ?」
「…うん。国光はいつでも優しいし、ワガママ言っても怒らない。でもたまには国光から行動して欲しいって思うんだ」
和希は、ちょっと考えこんでから、話しだした。

「俺、明後日から出張で家を空けるから、その間に高耶くんも獄寺くんもリョーマくんも留守にする日を作る。それで、成瀬さんに直江さんとディーノさんと手塚さんを誘って飲みに行かせて、それとなくリョーマくんの希望を伝える…とかどう?」
「それ、いいんじゃないか?」
獄寺と高耶が賛成する。

獄寺もたまにはツナや仲間達と過ごしたいし、高耶も妹に会いに実家に帰りたいと思っていたのだ。
「…じゃあお願いします」
少しだけ考えてから、リョーマはコクンと頷いた。

そんな話をしている間に、和希の携帯に成瀬からメールが入る。
「帰るコール?」
高耶がニヤニヤ笑いながら言うと、ふぅとため息をつきながら頷く。
「俺も帰って晩ご飯作らないと」
リョーマはそう言うと、そそくさと帰る準備を始める。
何だかんだ言って、ラブラブなんだよな〜と和希は微笑んだ。
「じゃあ、今日成瀬さんに話してから、またメールするから」
「了解っす」

みんながバタバタと帰ると、すぐに成瀬が帰ってきた。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
こんな会話が当たり前なのが、何だかくすぐったく感じる。
「あれ?お客様?」
「いつものみんなとお茶してたんです」
「えー、僕も一緒にお茶飲みたかったなぁ」

「…俺と2人だけじゃ不満なんですか?」

ぷいと顔を背ける和希に、成瀬は後ろから抱きしめて「2人きりの方がいい」と耳元で囁くと、ただいまのキスをした。


「ダーリン達の傍迷惑な夜」へ




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