G.キミと俺。

*そうして時間はゆっくりと過ぎていった。

「ついに放課後だ.....」
「そ、そうだね」

俺と柚木さんは、靴箱から外の様子を眺めながら周りを警戒して自然に話している。
雨はどうやら持ちこたえてくれたみたいだ。
雷はまだ鳴ってないみたいだけど。

「それにしても、ちょっと危なかったなー」
「ん、何がー?」
「古井くん、今日一日中怪しんでたもん」

そう言われて今日の亮ちゃんの様子を思い出す。
確かに、かなり怪しいものを見るような目で見てたような。

「や、でもそれなら大嶋さんも怪しんでたよ」
「えっ、りんごが?」

実際、大嶋さんには怪しまれない自信があったし。
でも意外なことに、大嶋さんも亮ちゃんと同様に怪しいものを見るような目で見てたんだ。
柚木さんを演じる研究が足りなかったか?
なんて言ったって、どうせもう戻ることだし、明日になれば元通り。


-----ゴロゴロ......


っ!

き、来た......

な、なんか無駄に緊張してきやがった!←
俺は息を呑んで、柚木さんの方を見た。
柚木さんも俺の方を見て、小さく頷く。

「よし、準備はいい?」
「俺は大丈夫!あとは雷さんに鳴ってもらえば......」

お互い深呼吸して、顔を見合わせる。
このまま雷が落ちて、目の前が真っ白くなって、目が覚めたらそこで全てが元に戻る。
そうなるはずだった。
そうなるべきだった。

..............だけど、人生は思った以上にそううまくいかないみたいだ。


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