不良とシスコン、時々天使 | ナノ



日差しが、暑い。
気付いたら、もう夏休みだ。

進路については、父さんと少しだけ話して、じっくり、でも沢山の時間がある訳ではないから、その時間内に考えをまとめて、また話すことになった。

あと蒼志の謎の行動については、まだ謎のままだ。
最初の方はお互い妙なぎこちなさだったけど、最近はまたいつも通り、…になってると俺は思ってる。


そうして七月の終わりの頃、宿題も少しだけやったそんな夕方、二本の電話がかかってきた。

一本目は、桜の友達のお母さんからだった。
その日丁度桜はその家にお邪魔しにいってて、どうやらそのまま晩御飯も食べさせてくれる上にお泊りまでさせてくれるらしい。
桜も嬉しそうだったので、お兄ちゃんも幸せだ。

二本目は、父さんから。
仕事で今日は帰れなくなりそうだということ。
一応桜がお友達の家に泊まることだけ伝えて、あと無理しないように言って、忙しそうにする父との電話は切れた。


さて、突然暇になった。

何だか今日は茹だる様な暑さに何をするのも面倒くさくて、その上自分の分だけの晩御飯を作るのは、どうにもやる気が起きない。

「…どっかファーストフードでも行こうかな……」

財布と鍵を持って、戸締りをして、外を出る。


こんな時に限って蒼志から今日来るという連絡はなかった。


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