不良とシスコン、時々天使 | ナノ



貼り出された紙に、俺はぽかん、とバカみたいに口を開けた。

「え?あっくんなにこれ、おかしくない?え?え?」

隣では偶然先ほど会った緒方が居て、俺と同じくらい物凄く驚いている。
ざわざわと、紙に群がった周りにひとだって。



「…一位、ってどういうこと」



勉強したら、こんな簡単に一位とれるんですか。

緒方と一緒にいた蒼志に向かってそう言うと、くあ、と欠伸した。
むかつく。

「司も結構上の方だろ」
「今そういう話じゃないと思います」
「二十位圏内なら十分だって」
「だからそういうんじゃないって」

貼り出された紙は、テスト結果の順位表だった。
理系だとか文系だとかの専門科目以外の主要で集計されたそれの一番上、つまり一の数字の横の名前には、目の前の不良の名前が。

「蒼志に出来ないことがないと思いはじめた」
「料理は出来ねぇよ」
「やりだしたら出来るだろどうせ」
「いや、昔小学校だかの調理実習で鍋爆発させた」
「…調理実習とか出てたんだな」
「お前は俺をなんだと思ってんだ」

完全無欠の、イケメン不良、かな。
ただ今ので料理は壊滅的に出来ないことがわかったけど。
鍋爆発ってどうしたらそうなるんだろう…。






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