「桜、お兄ちゃんにも冠の作り方教えてほしいなー」
「いいよ!」
お腹一杯になったところで、本日のメインイベント、冠作り。
蒼志は午前中桜に付き合ってもらったから、今は休んで貰っている。
…さっきちょろっと離れた隙にナンパされてたけど、まああしらい方も慣れてたみたいだし、大丈夫だろう。
小高い場所にあるここは、少しだけ涼しく、まだシロツメクサが咲いていた。
もう少し遅かったらまずかったかもしれない、よかった…!
「ここをねー、こうするの」
「上手だね」
「えへへー」
桜が可愛すぎて作り方とか吹っ飛びそうだ。
天使が舞い降りてきた奇跡に感謝。
ただ、…少しだけ寂しさを感じる。
結構花の冠って難しい。これを、作れるようになったんだから。
何でも、気付いたら俺達がしなくて良いようになるんだろう。
嬉しいけど、…寂しい、な。
俺がいなくても、平気になってしまったら。
「つーちゃん?」
「ん?」
「どうしたの?」
「桜が可愛いなぁって」
「さくらかわいい?」
「可愛いよ」
「………えへ」
っうわああああああああ桜の笑顔超かわ、え、何だ今の破壊力、軽く俺の心臓壊れる…っ!
「おいシスコン、悶えんな」
「あっちゃん!」
「いや、だって、今の、このはにかむようなああああああ」
「桜、司ほっといていいからな」
「う?」
いやあ…もう駄目だな、可愛すぎてどうしようもない。出来ることならごろごろ転がりたい。シロツメクサが潰れるからしないけど。
というか、いつの間に来たんだ、このイケメン。
「声かけられてうぜぇから」
「さいですか」
いらっときた、今のはいっそ殴っていい感じだよね?
一生掛かってもそんな言葉言えないわ。
← top →