不良とシスコン、時々天使 | ナノ



鞄ごと持って、赤い髪と金の髪の二人の後を歩く。
擦れ違う人は皆二人を目に入れた瞬間に動きを止め、それから俺に何で?みたいな目を向ける。すいません、俺はただ弁当を運んでるだけです。

「司」
「え、…ああ、何?」
「とりあえず離れんなよ」

何も考えずに付いてきた場所は、屋上。
やっぱり不良のたまり場って訳か。離れたらあれですか、俺、ボコられたりカモにされたりするわけですか。

「う、わ…」

煙草臭…!
高校生だよね?あれ?何でこんなナチュラルに皆吸ってんの?
って言うかうちの学校こんなに不良っぽいの居たんだなぁ…。あんまり周りのことに興味無いから初めて知った。

「司ちゃん、こっちこっち」
「あ、はい」

金髪の人に手を引かれながらちらりと昼食食べてたり煙草吸ってたりする人間を眺めると、全員ぽかんとこっちを見ていた。
え、ここでもそんな反応なの。何なの。



「司ちゃんって何者なの?」
「普通の一般人ですけど」
「だよねぇ……あ、ってゆーか敬語無しね!俺も同い年だから」
「あ、うん、わかった」

空いたスペースに腰を下ろし、無駄に良い顔に囲まれて弁当を取り出す。
しかも受け取ったら即広げてやがる。

「イタダキマス」
「召し上がれ」
「ふたりとも夫婦みたいだねー」

何だこれ、羞恥プレイか。


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