タッパーに入れて冷凍してあったご飯がいくつ溜まっていたので、それを使ってささっとチキンライスを作る。
それから卵に包んで、オムライス。
チキンライスだけでも良かったんだけど、桜がケチャップでお絵かきするのが好きだからそれにした。
「出来たよー」
「はぁい!」
一番小さいのが桜。大きいのが蒼志。で、蒼志より少し小さいのが俺。
椅子に座った桜にケチャップを渡すと、意気揚々と桜用のオムライスの上にお花を描き始めた。
「桜上手だねー」
「つーちゃんのもかいていい?」
「どーぞ」
さて何を描いてくれるのかな。わくわくしながら彼女の前にオムライスを置いて見ていると、迷いなく、きゅーっとハートを作ってくれた。
「……っ!!」
「さくら、じょーず?」
「桜は天才だよ!!」
「……」
やばい泣きそう。蒼志の冷めた目線とかもうなんでもいい、さすが桜、うちの子マジで天使。
ぎゅーぎゅー抱き締めて頭撫でると桜が笑ってくれるから俺まで嬉しくなる。
「……ほら」
ことん。一番大きなオムライスが桜の目の前にやってくる。
あれか、俺と桜が仲良くしてて寂しくなったのか。
にやにやしてたらデコピンされてちょっと痛い。口に出してからかったらもっとデコピンされる気がして黙っておいた。
「あっちゃんはうさぎさーん!」
面積が大きくて描きやすかったらしく、胴体付きである。丸い尻尾が可愛い。桜が描いたから何でも可愛いけどね!
「うさぎさん!」
「ああ、……かわいいな」
「……えへ」
………ん?あれ?何か、俺の時とちょっと反応違、………。
「桜は渡さない!」
「何でそうなんだよ」
ちょっぴり頬染めた桜は可愛いけど!可愛いけどダメだからな!!
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