side 陸
俺たちが集まるには少しタイプが違う、大きな通りから路地裏をいくつも経て辿り着いたそこそこ大きな店の前には車やバイクがいくつも置いてあって、それ以上の人間が店の入り口で俺たちを出迎えてくれた。
どっかで見たことある奴が何人かいるなーと思ったら、そうだ、前に俺たちの方にいた奴らだ。
あっくんが気に食わないらしくて抜けてったのとか。あっくんに歯向かってやられちゃったのとか。
他のは単に俺たちが気に入らないのだろう。
「あっくんも敵作るねぇ」
「………」
「ごめんごめん、そんな睨まないで」
バイクから降りると、メットを脱ぎ捨てたあっくんはそりゃもう怖い顔で。
…仕方ないよね、そこら辺は。
「ほんとはあっくんだけ先に行ってー、とかやりたいんだけどさ」
「この数は無理だろ」
「うん、ごめんね」
こっちは五、六人。あっちは何人だろ。
少なくとも三十は居そうだ。
どうせ中にはもっと居て、数で押せ押せ、みたいな感じかな。
下手に別れるより、応援待って一気に叩き込んだ方が早いし。
ああ、でも。
「めっんどくせーなぁ…」
いっそバイクで一旦轢いて回った方が早かったな。
そんなことしたら皆に怒られるからしないけど。
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