side 陸
どうにかしてやっと元凶の居場所を吐かせて、急いでその場に向かう準備をする。
こんなことになるなら、やっぱり、俺達だけ動いて、あっくんは司ちゃんの傍に居させてやればよかった。
でも。ねえ、あっくん。
俺、最初に忠告、したよ。
司ちゃんにも、言ったよ。
こうなる前に、離れた方が良いって。
でも止めれなかったのは、この短い間でも、ふたりは一緒に居る方が当たり前だって、思ってしまったから。
「後からみんな来るって」
「……」
「アンズさんも」
「……来んのか、あいつ」
「私の所為でもあるからって」
「もうあいつは関係ないだろ」
走りながら色んなところに連絡して、バイクのメットをかぶる前にあっくんにそう告げると、吐き捨てるようにそう返して会話を遮るように顔を隠した。
荒い運転に続いて、スピードを上げて。
俺の他に数人の仲間がそんな風に運転するから、もしかしたら通報されたり、警察が来るかもしれない。
だけどそんなの、今は構ってられなかった。
あっくん、変わったよね。
元から、誰かのために、なんて振りは見せないで、でも実は俺達のために動いてくれたこともあったけど。
こんなに必死になる姿なんて、司ちゃん以外ではないんだろうな。
男ってだけで、周りには言えない関係だけどさ。
知ってしまった俺はもう、離れろなんて、言えないや。
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