父さんと桜は公園に遊びに行った。
俺と蒼志は留守番。と言うか、寝不足で日曜日の公園に突撃するのはちょっと辛い。
ふたりで家にあったDVDを回してみてはいるものの、何度か見たそれに今更面白味を発見することなく、人の声がただ流れていくだけ。
くあ、と隣に座る蒼志が欠伸して、それが移ったみたいに俺も欠伸した。
「……ねみぃ」
「んー…」
ごつん。
蒼志の頭が俺に当たる。
痛くないけど、少し重い。
「寝るなら横になれば?」
ベッドに入ったら確実に夜までぐっすりいきそうだ。
ソファーで寝るのはあんまりオススメしないけど、わざわざ二階に上がるのも面倒だと思うし。
「……寝る」
「ん、おやすみ」
ソファーから俺が立つと、蒼志がそこに寝転がる。身長があるお陰でソファーから脚が飛び出てるのがおかしい。
「司」
「なに?」
「ん」
呼ばれて、蒼志を見下ろすと、両手を広げていた。
……いや、どういうこと。
「お前は」
「……だってここリビング」
「帰ってくる前に起きればいいだろ」
「そうかもしれないけどさぁ…」
「はやく」
催促するみたいに手首を掴まれ、そのままじっとこっちを見つめてくる。
相当眠いらしい。
瞬きがゆっくりだ。
「つかさ」
「……わかったよ」
そっち、詰めて。
狭いソファーに男ふたりなんて、更に狭くなるに決まってる。
ぎゅうぎゅう詰めで横になって、俺が落ちない様に蒼志の腕が身体に絡む。
後二時間したら、きっと父さんと桜が帰ってくる。
その前に絶対起きようと心に決めて、蒼志の胸元に顔を埋めた。
← top →