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「逢坂、…逢坂、好きだよ、俺と付き合って」

ぐるぐると言葉が駆け巡る、こんなのは、駄目だ。絆されてしまう。

「……佐々木、」
「何?」
「……………ここから逃げられたら、考えてやっても、良い」


そう、ここから、…廊下から。
まさか廊下でこんな姿を見せるとか、やっぱり、馬鹿なんじゃないだろうか、色々、馬鹿だろう。


「駆け落ちみたいな台詞だな」


爽やかに笑った顔を殴り飛ばしたくなった。おい佐々木、両頬を貸せ。
睨むだけ睨むと、今度は本気で睨んでる、とか言い出す。普段から目つき悪くて悪かったな!



「考える、だけだから、な」
「わかってるよ」

空き教室に入ってそう告げれば、さも当然の様に返される。
思ったよりあっさりしていた。もっと、強引にされるかと………いやいやいや、今のは、無しだ。するっと出た言葉の文みたいなもんだ、うん。


「さ、ささき、あのさ」

やべ、どもった。笑うな、佐々木。

「付き合うのは、まだ、無理だけど、さ」
「うん」


「と…ともだちから、はじめま、せんか」



仕方ないだろ、友達、俺、いないんだから。良いだろ、友達くらい、望んだって。
おい、こら、だから笑うな、佐々木。


「よろこんで、逢坂」


…………まあ、嬉しかったから、許してやる。



「あ、でもキスはいいよな?」
「調子乗んな、ばか」



そんなこんなで、友達が、出来ました。

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