意識が、戻ってくる。どうやら、気を失っていたらしい。
「……起きたか」
「起きたか、じゃ、ない…しね、」
気を失っていた時間はほんの僅かだったようで、丁度、中から祐貴のものが抜かれる時だった。
栓がなくなって、中に大量に出されたらしい白濁がごぽりと溢れる。
ヤってる最中は気付かなかったが、ベッドも酷いものだ。
いつの間にか煩わしいと脱がされたシャツもズボンも中途半端に投げ出されたものだから、もしかしたらもう二度と着られないようになっている可能性もある。
まったく、散々だ。
「……とりあえず、おさまった、のか」
「まあ、うん、悪かった」
「…………ああ、くそ、ふざけんな、ほんと…」
もう一生あんな目には合いたくない。
「いやでも、圭登もすごかったな」
「……薬の所為だ、薬の」
「潮吹きとか、なぁ」
「しね」
女がするだけのものじゃないのは知ってたものの、まさか自分が経験する羽目になるとは。この、俺が、だ。ふざけんな。絶対いつか仕返してやる。
「おい早漏」
「やめろ薬の所為だっての」
「風呂」
とにかく今は、全身汗やらいろんなもので気持ちが悪い。
中に入ったままの精液も早く掻きだしてしまいたかった。
「圭登」
「なん、」
名前を呼ばれて、祐貴に目を向ける前に、唇が塞がれる。
「……ヤるのに必死であんましてなかったから」
「………馬鹿か」
首に腕を回すと、また唇が重なった。
確かに、ふたりして必死すぎて、おざなり、だった気はする。
もちろん、こいつのことだからしてないことはないだろうけど、記憶が曖昧だ。
「圭登ー」
「だから何だ」
「好きだぜ」
「……そうか」
「圭登」
「…わかってんだろ」
「けーいと」
「……好きだ、これでいいか」
「それでいい」
抱き着かれて、額を合わせ、祐貴は甘えた声を出す。
あの野生動物みたいなやつはどこに行ったのか。
だらけきった顔があって、…柄にもなく、安心した。
それは、疼きの中で
(風呂入りたい水飲みたい眠い)
(はいはい)
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