Hyacinth | ナノ


R18



会長と委員長。
似たような俺達。
立場より、性格が、似通っていた。

それ故に、会ったらすぐ殴り合いの喧嘩、または罵り合い。
そんな日常だった。

それなのに。

なんで。


「っ、やめ、ろ…!」
「やーだね」


こんなことに、なってるんだ。





いつも通りだった、はずだ。
いつも通り殴って、蹴られて、暴言吐いて、繰り返して。
それが気付いたら空き教室に押し込まれ、倒されて、服を剥かれていた。

どういうことだ。

逃げないようにするためか、目の前の男の膝が、俺のものを圧迫していた。
時折擦る様に動かすものだから、押し潰されそうな、それでいて、違う種類の焦燥が、俺の中で生まれる。

キスだとも言えない、噛み付くだけのそれを繰り返して、舌を喰われて喰って、血の味が咥内に充満した。
ネクタイか何かで縛られた手首は床に押し付けられ、きっとすでに、帯状と指の痣が浮かんでいるだろう。

優しさなんて、ここから一番遠くにある。
片手で締められた首、重ねた唇から奪われる酸素、頭が朦朧として、力が入らない。

「ぼーっとしてんなよ」
「ッい、!?」

在らぬところに痛みが走った。
何だ、いや、意味がわかるような気もするが、わかりたくもない。
ただ、ぐちゃりとした感触が、妙に温かい。

「わざわざ準備してやってんだぜ?この俺が、お前のために」
「知るか…っ!」

目の前に晒されたローションのボトル。
どっから調達したのかは知らないが、この行動が計画的なものだったという嫌な情報を得た。
死に晒せ。

「ほら、二本」
「いっ、てぇんだよ、このド下手糞!」

宜しくない場所に指を突き立てられているのだ、いくら潤滑効果のあるものを使われたところで、痛いに決まっている。

「誰がド下手糞だって?ああ?」
「てめぇに決まってんだろ、童貞かよ」
「ぶっ殺すぞ」
「は、図星か?」
「…わかった、懇切丁寧に俺の全てを以てサイッコーに気持ち良くしてやるよ」

ぐつ、と二本の指が奥まで入れられ、気持ち良いどころか最高に痛い、吐き気がした。
うねる指が動く中に気を取られている内に、こいつの膝が何時の間にか手に変わっていて、直に握り込まれる。

ゆるりと勃ち上がり始めたそれに、奴は笑みを深めた。

くそが。

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