唇を重ねて、服を脱がし合って。
何度目の勝負だかわからないが、とにかく俺達は、その一回の勝負に大分必死だ。
…未だ俺が勝てたことが無いってのが癪に障る。
大体、祐貴は力がありすぎるというか、腐っても風紀委員長というか、とにかく力で抑え込まれたら勝ち目は無いと言っても過言じゃない。
「うわ、」
「…つー訳で先手取らせて貰うからな」
押し倒して、また口付け、首筋を舐め上げる。
「待てって、それじゃ勝負になんねぇっつの」
「あ?」
額を片手で押されて、思わず眉間に皺が寄った。
何だよ、お前だっていつも最終的には自分の好きなようにやってる癖に。
「お前が上でいいから、とりあえず体反転させろ」
反転、……確かにこれだとお互いどっちが不利とか無い、が。
シックスナイン、とか、馬鹿だろ、馬鹿だ、こいつ。
「っん、」
「…は…ッ」
口に含んだ先端から先走りがぷつりと溢れ、それを飲むように強く吸うと俺の脚を掴む祐貴の指先に力が入った。
それから仕返しするように俺の根元を緩く、弱く握って、擦る。
指先が、根元から先へ、それから、元に戻って。
「ッ、何、し…っ!」
「んー」
何つったか、…ああ、蟻の、戸渡り。
そこ付近を、な、…められて、思わず、口から祐貴のものを離した。
ふざけんな、そういうのは、無しだろ、普通!
「俺のも弄りたきゃ弄ればいいんじゃね?」
仰向けになっている所為で、弄るにもそう簡単に出来そうにない。
…まさか、こいつ、これが狙いとか、言わないよな…?
「ほら」
「っゆう、…!」
窄みに舌が、這って、やめろ、気持ち悪い、起き上がろうとしても、脚を押さえつけられて、動けない、やめろ、馬鹿、舌入れんな…っ!
「や、め…っ」
「ん、」
「っ、くそ、ふざけんな、!」
舌が動いて、指で広げられて、奥、まで、生温い、届いて、それから片手で、扱かれて、ぼた、と、祐貴の胸元に、透明な液体が、ぼたぼた、と。
流されそうになる前に、目の前のものを無理やり口に含んで、さっさとイかせる選択を、取ったほうが早い。
苦しい、息も上手く出来なくて、後ろも訳のわからない気持ち悪さと、前の、直接的な快楽に、腕に力が入らなくなった。
それでも、負ける、訳にはいかなくて。
「圭登、…お前マジ、えろい」
「ん、く…、」
腰を時々突き上げてくる馬鹿のものが喉の奥にがんがん当たって、呼吸も、出来ない。
「っ、ざけん、な、」
流石に息が出来なくなるのは辛くて唇を離して、力の抜けた両手で包んで裏筋を強く、擦って、舐めて。
だからといって祐貴が待ってくれる訳も無く、一度離された口は俺のものを含んで、指を、入れはしないものの、何度もなぞった。
くそ、こいつ、いつか覚悟しとけよ。
「ッん、ぁ、んん…っ!」
堪え切れずに、白濁が、祐貴の口の中で弾けて。
喉の奥で飲み込んだ音が伝わり、何というか、もう、頭がぐらぐらする。
「圭登」
「……んだよ、」
祐貴が上半身を起こしたと思ったら、そのまま、俺も身体を起こされて、背中から抱きつかれた。
耳元に声が響く。
「俺、まだイってねぇんだけど」
…………おい、まさか。
「入れさせろよ」
ふざけんな!
end.
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ふたりの攻防、からまさかの話でした。
大分遅くなりましたが、コッタさん誕生日おめでとうございます!
もし良かったら受け取ってやってください…!
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