ごっちゃ煮 | ナノ


▽単純同性交際から
▽気付いたらR18になってました


side 祐貴


首の後ろがくすぐったくて、ぼやけていた意識が浮上する。
何かの夢を見ていたのかもしれないけどそれすら思い出せない。

「…何やってんだ、圭登」
「起きたのか」

ちゅう、と音を立てて項が吸われた。
それから少しして首筋に甘く噛み付かれる。
後ろを見ないまま好きにさせていたら、どうやらそれも不満らしい。
いちいち離して噛み付くその強さが段々痛みを伴うものになっていった。

「何だよ」
「別に」

ぐるりと体勢を変えて向き合えば圭登は目を細めて、今度はがじりと頬を噛んできた。
歯を立てたまま舌先で舐められ、ぶっちゃけ朝の生理現象の所為で変な気分になる。
脚を絡めてお互いのそこを擦り付けると、どうやらまあ、圭登もそうだったようで。

「…おい」
「そのつもりだったんじゃねぇの?」

休みの日くらい、朝からそんなことしても怒られやしないだろう。
目を合わせたまま唇に吸い付き、重ね、舌を咥内へと差し込む。
ふたりとも逃げる気もないのに身体を寄せて、スラックスの中に手を突っ込んで、下着の上から圭登のものを撫でるとびくりと身体が跳ねた。

「ん…ッ」
「…何か、前より感度良くなってるよな、お前」
「ふざけんな馬鹿が」

唾液でべたついた口周りを舐めながら睨まれたところで、煽ってるだけだってことにいい加減気付いてほしい。

抜くだけでも良かったんだけどどうにもあんな圭登を見てしまった手前、それだけじゃ収まらなくて。
布団を引っぺがし、それに呆気にとられていたこいつのスラックスと下着を勢いのまま剥いて、押し倒した状態でまた唇を重ねた。
圭登に殴られそうになったが突っ込みはしないと約束を取り付けて、だけど嫌そうにするから、そんな気なくしてしまえばいいとばかりに晒された腰骨を指で撫でる。
上着の裾の中に指先を入れ、捲りながら腰骨から臍に、臍から胸へと唇を落とし、それからまた下に戻って、薄く割れた腹筋を臍から上へと舐め上げると、圭登は背筋を反らせて口を手で覆った。

「駄目だっつの」
「…いや、だ」

口元を抑える手首を掴んで、掌に唇を落とす。
指間から見える圭登の、眉を寄せて、嫌だと言う薄く開かれた唇は、はっきり言って下半身にくる。かわいい。
そのまま片手を繋いで、少し強めに胸の突起を吸うと、ぎゅうと力強く手が握りしめられた。

「んん…っ!」
「噛むなって」
「馬鹿言うな…!」

手が駄目なら唇。ここらへんはやっぱり強情だ。
片足を空いている方の手で開かせて内腿に唇を寄せて、何度も何度も少しずつ場所を変えてキスをしていけば、圭登のものがひくひくと震える。先端からは透明な液体が零れ、腹に落ちた。

「脚、締めろよ」
「はあ…?」
「やられっぱなしってのも、癪だ」

いつぞやかに、圭登にされたことを思いだす。あの時の屈辱ったらなかった。
膝を立てさせて、太腿をぴたり重ねたところで少しだけ膝下を開き、自身をその隙間に入れる。

「お、前…!」
「ほら、締めろって」

中に突っ込みはしない。お前もやったんだから、おあいこってやつだ。
ゆっくり腰を引いて、またゆっくり押し付け、身体を前に倒して鼻先をかぷりと噛んだ。
ぎりぎりと繋いだ手に力が込められているが、無視だ無視。





「は、…んっ、ん、」

鎖骨とか首筋とか、あと顔中に口付けていくうちに、諦めたんだか何だか、圭登も段々満更でもなさそうに腰を揺らしはじめた。
多分、俺が頑張ったお陰で全身感じやすくなってるみたいで、内股に擦れるのすら気持ち良いらしい。

「声、出せ…っ」
「っざけ、んな、」

でもどうにも声をだしてくれない。不満だ。
顎を掴んで横を向かせて、頬を舐め上げた後、耳を辿る。

「んぁ…ッ」
「圭登」

性感帯を知り尽くしてる訳じゃないものの、耳が弱いことくらい知ってる。
それこそ、攻め続ければぐずぐずになってくれる程度には。

「やめ…ッ、ぁ、あ…っ!」
「ん、」
「ゆう、き…ッ、や、ぅッ」

最初は優しくキス落として、徐々に、耳朶を食んだり、中を舐めたり、レパートリーを増やしていくうちに、脚にも力が籠って、さっきより締め付けてくる。
強く腰を打ちつけて擦る速度も上げていけば、堪らなそうに声を上げてくれた。かわいすぎる。

「あ…ッあ、や、んあっ」
「は、…やっべ、…」
「んッあ、ゆう、っ、や、や…ッ!」
「い、きそ…っ」
「も、むり、いく…ッ、ゆう、き、ぁ、や、あッ」

圭登は繋ぎ続けた手を自分の胸元に寄せて、全身をしならせ、俺の腕に縋りつく。

「あ、あッ、いく、ぁ、ぁあッ!」
「ん、く…ぁッ!」

びゅくりと二人分の白濁が圭登の腹にかかり、絞り出すように腰をゆっくり何度か滑らせると、その度に身体を跳ねさせて、小さく喘いだ。

「…っ、は、…ぁ、」
「な、…気持ち良かっただろ、?」
「…うる、さい」

そう言ってもう一度唇を重ねると、繋いだ手のまま額を軽く殴られた。



キスの日



**********
大分遅れてしまいましたが、5/23はキスの日、ということで単純のふたりに頑張ってもらいました。
ただちゅっちゅしてもらうはずが、いつのまにか素股になっていたいのは私でも驚きです。

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