ごっちゃ煮 | ナノ


side 蒼志


今度は身体をひっくり返して仰向けにさせた。
司の背中に自分の腕を敷いて、少し身体を起こす。

「脚、開け」
「…っ、はず、かしい、」
「今更何言ってんだよ」

何度してもこういう行為に慣れないらしい。
先程より更に潤んだ目元に唇を寄せて、回した腕で脇腹を撫ぜた。
その一瞬にびくりと肩を揺らして、おずおずと脚が開かれていく。
先端を押し付け、ゆっくりと中に入り、少し入っては出て、そしてまた入れて、焦らすように腰を押し進めた。

「ん、んッ、…」
「司」
「…な、に?」

全て入りきったところで、次の刺激に耐えようとしている司を引き寄せ、耳元で呟く。
最初はきょとんとしていても、意味を理解した途端、顔を真っ赤にして、俺の頬に柔く噛み付いた。
抵抗のつもりだろうが、全くもって逆効果だと、そろそろ気付いた方がいいかもしれない。

「ほら」
「…バランス、取れ、ない…から、解くか、やめるか、…しない?」
「支えてやるから、大丈夫だろ」
「……うう…」

俺が身体を倒して、でも司はそのまま膝立ちで、所謂騎乗位。

繋がったまま、恥ずかしがっていつまでも動かない司の腰を掴んで下から軽く揺すると、それをきっかっけに、というか腹をくくったようで恐る恐ると言った具合に腰を動かし始めた。

「…ッ、ん、ん…」
「……すげぇもどかしい」
「うる、さい、」

手を縛っているから余計に動きにくいし、自分で動いたこともないし、加減もわからないんだろう。

「身体、少し後ろ倒せ」
「…ん……」
「そのまま、腰上げて」
「っ、あ、」
「下ろせ」
「…ッん、あ…!」

ぐっと中が締まる。前立腺を擦り、それが快感に結び付くと気付けば、恐らく。

「ひ、ぁ、…ん、んッ、!」
「…は…、ぁ、」
「あお、し…っ」
「ん、…」
「ど、しよ…ッ、ぁ、あ、きもち、い…、」

自分の制御できないところで、追い求める。
首を横に振って、嫌だといいながら涙を零して、それなのに身体だけは勝手に動いて。
可哀想で、ただ、可愛くて。

指だけで苛めた時みたいに溢れた先走りを手に絡め、そのまま司のものを扱いた。

「っや、あ…ッあおし、だめ、あ、ぁ…っ」
「…イけよ」
「や、ぁ、やだ、…ッあ、う、…、ん、んん…ッ!」

喉を反らして、びくり、と白濁が腹に飛ぶ。
どうも最後の意地、で唇噛みしめたらしく、籠った声しか聞こえなかった。

そうなればこっちも意地だ、と、イったばかりの司を下からすぐに突き上げる。

「ひ、ぁ!?」
「…まだ、俺イってねぇんだけど」
「う、」
「お前先にイったし」
「……お、れは…、いやだって、言った、」
「司」
「………も、うごけな、い…」
「そのままでいい」

片手で司の腰を掴んで突き上げ、あいた手で、開いた胸元の突起に触れる。
弄らなかったのにそこは固く尖っていて、中指と親指で抓んで人差し指でそっと先端を撫でると、中がさらにきつくしまった。

その間にも何度も突き上げると、過ぎた快感に司は泣きじゃくり始めて、それにさえぞっと理性がそぎ落とされ、今こうしてやってるのは自分だと優越感さえ増す。


「ひ、や、ぁ、やだ、しんじゃ…ッあ、あ!」
「っ、…は、ぁ、」
「やだ、あお、あおし…っも、やぁ、ん、あッ」


…とは思っても、流石にやりすぎた。




「っ、う、ぁ、」
「悪かった」
「ばか、…うう、」
「そんな泣くな」

動きを止めて、身体を起こして司を縛っていたシャツを解く。
唇を重ねて、そのあと額を合わせながら抱きしめる。
腕が自由になった司は俺の身体にそれを回して、抱きしめ返し、少し落ち着いたくらいで、仕返しだか何だかで首筋をあぐあぐと噛み始めた。

…だから、そういうのが煽ることになってるって、気付け。

どさりともう一度司を押し倒して見下ろす。
いい加減限界だ。

「……あの、あおし、さん」
「何だよ」
「………またおっきくなってます、けど」
「まだイってない」



ああやって司の色んな顔を見るのは良いが、…結局は、司であれば何だっていいわけで。
あんなに燻ってた何かはいつの間にか消えて、だけどきっとまた、その感情は何度だって繰り返すんだろう。
厄介な話だ。

それでも、手放すつもりは、ないけれど。



end.


**********
もう途中からどうしていいかわかんなくなって変な方向に突っ走った結果がこれです。
多分不シスで本格的にえろいのってこれが初めてなんじゃないかなって。


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