▽ちゃんとお付き合いしてます
▽いろいろ無視してあげてください
side 蒼志
連れてきた自分の部屋で、制服のまま司を押し倒し、無遠慮に口を塞いだ。普段より深く、深く。何も考えさせないように。
その間にベルトを外してズボンのファスナーを開けて、手を忍び込ませる。
「ん…ッ!」
そのまま手で擦り続ければ、段々と硬度を上げて、それとリンクする様に司は体を捩じらせて逃げようとした。肩を押す力はすでに力が抜けているから、無駄な行為なのに。
「あ、蒼志、」
「痛くはしねぇよ」
「そうじゃ、なくて、」
確かにいつもより、性急で、恐怖を与えているのかもしれない。
けど、一度芽生えたそれを無視することは出来なかった。
もう一度唇を重ねて、司の腰を抱えて浮かせ、その間にずるりとズボンをトランクスごと脱がせ、足から抜き取る。
シャツのボタンを外して、唇を唇から離し、素肌が見えたところから、徐々に、唇を落としていく。
「…っ、いえの、ひとは、」
「……さぁな」
「きこえ、…ん、っ」
「桜に聞かれるより、いいだろ」
強く吸い付き、痕をつけて、噛みついて。
血は出ていないけど、鬱血だらけになってしまう。
こんなの、ただの、嫉妬だ。
誰に向けたのかわからない、彼の周りにいる全員。
俺が一人が独占できない、苛立ちに、だったら独占してしまえばいいと、そう疼いたから。
あの家で無理させるより、良いだろう。それに両親と緋里は外食に行っているし、兄貴が帰るのはまだまだ先だ。
「司」
「っ、は、…」
「悪い」
司の唇を噛んで、否定の言葉は飲み込んだ。
身体をうつ伏せにし、背中に腕を組ませ、着ていたシャツで腕を縛る。
腰だけ高く上げさせた格好に司は案の定嫌がるが、肩甲骨付近を噛みながらジェルを絡ませた指を後ろに突き立てれば、すぐにそれも嬌声に変わった。
一本、二本と指を増やして、前立腺を擦ったり引っ掻いたりしていくうちに、司の先走りがシーツを濡らす。
「や、ぁ、…ッ、あお、し、」
「まだイくなよ」
「ッんぁ、あ、なんで…っ、も、イき、た、い…」
「駄目」
「ん、…っ、ぁ、あ!」
好きなだけ弄っておいて指を引き抜くと、あと少しでイけそうだったんだろう、司が首を捻って困ったようにこちらを見つめていた。
小さな声であおし、とたどたどしく俺の名前を呼ぶ。
腕を縛っているからろくに動けないせいで、それでも見ているだけの俺に不安になったのか、すん、と鼻を鳴らした。
目は少し赤くなりはじめている。
泣き出しそうな顔なんて普段あまり見れなくて、見せたくもなくて、それだけで少し満足してしまう俺は、とても単純なんだと思う。
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