ごっちゃ煮 | ナノ


No side




いつも入れ違いで入る風呂に、何だか今日は気分が盛り上がってしまって、結局二人で洗面所に向かった。

キスをして、お互いの服を脱がしあって。
はさり、はさりと落ちていく服が、余計熱を煽った。
洗っていない身体からは相手の匂いが強く残っている気がして、頭がくらくらする。それはどこか、獣染みた考えかもしれない。

浴室に入り、またキスをした。
深い、それ。
圭登の舌を祐貴が絡め取って、祐貴の舌を圭登が食んで。

素肌がくっつき、お互いの首筋に噛みついた。
祐貴の手が、圭登の背中を、背筋の窪みを、背骨を指先で撫でる。腰を過ぎて、尾てい骨、それから割れ目を縫った時、さすがに彼も肩を叩いて睨み付ける。

「おい」
「いいだろ」

使用頻度が高い訳ではないそこは固く閉ざされていた。
指でつついて、襞をなぞる様に伸ばす。徐々に徐々に指を埋めようとしても、何も潤滑剤を使っていないから、入りそうもない。

「…痛ぇ」
「悪い」

眉を潜めた圭登の機嫌を取るように、ゆっくり、何度も唇を重ねる。ここで本格的に機嫌を損ねたら、いろいろと台無しだ。
シャンプーやボディソープがある棚と一緒に奥の方に置いたボトルからローションを手の平に出すと、不服そうな声が響いた。

「……何でそんなとこにあんだよ」
「シャンプーとかだとあんま良くねぇって聞いたから」
「そういうことじゃない」
「痛いよりいいだろ」

向かいあったまま、祐貴は手を先程の場所まで滑らせた。馴染ませながら指を押していくと、漸く指先が埋まる。
第一関節が入って、第二関節までいく直前で、すっと指を抜く。
と、同時に、圭登から息が吐き出された。

「物欲しそうな顔」
「ふざけんな」

祐貴は笑って、また誤魔化すようにキスをした。絆される自分も自分だと、圭登は諦めにも似た心境で。

「……さっさとしろ」
「へえ、珍しく乗り気だな」
「やめるか」
「やめねぇよ」

再び、今度は勢いよく突き立てられた一本の指。唇を噛みしめて、それでも鼻から抜けるような声が出てしまった。

top
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -